ワゴンRの運転席の足元が水漏れする原因とは?修理と対策まとめ

ワゴンRの運転席の足元が水漏れする原因とは?修理と対策まとめ
SUZUKI公式

ワゴンRの運転席の足元が水漏れしている、水たまりができているといった異変に気づき、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特にスズキの軽自動車「ワゴンR」や「スティングレー」では、特定の年式・型式でこうしたトラブルが頻発しています。

この記事では、運転席だけでなく、助手席やトランク、さらには冷却系統に関する水漏れまで幅広く取り上げ、原因の特定方法や注意すべき部位、たとえばボンネット ワイヤーまわりの浸水対策についても詳しく解説します。

あわせて、リコール対象かどうかの判断基準や、修理代がどの程度かかるのかといった実用的な情報も盛り込んでいます。車に起こる水漏れは放置すると深刻な故障につながることがあるため、早めの対応が重要です。

このページを読むことで、ワゴンRの水漏れトラブルについての理解が深まり、安心して対処の一歩を踏み出すための参考になるはずです。 

記事のポイント

  • 運転席や助手席の足元の水漏れの主な原因とその特定方法
  • 年式や型式による水漏れの傾向とスティングレーの注意点
  • 自分でできる応急処置と修理にかかる費用の目安
  • リコール対象の有無とディーラー対応の実情

ワゴンRの運転席の足元が水漏れする原因とは

ワゴンRの運転席の足元が水漏れする原因とは
SUZUKI公式
  • 水漏れでよくあるトラブルとは
  • 雨漏りはリコール対象になるのか
  • ワゴンR スティングレーの雨漏りに注意
  • 助手席の水漏れ事例もあり
  • 冷却水の漏れにも注意しよう
  • ワゴンRの冷却水はどこに入れるのか?
  • トランクの雨漏りの修理ポイント

水漏れでよくあるトラブルとは

ワゴンR 水漏れでよくあるトラブルとは
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRで発生しやすい水漏れトラブルには、大きく分けて「雨水の侵入」と「冷却水の漏れ」の2種類があります。どちらも放置すると車内の劣化や走行トラブルにつながる可能性があるため、早めの点検が重要です。

まず多いのは、運転席の足元に水が溜まるという現象です。これはワゴンRの特定の年式・型式(特にMH34SやMH44S)に見られる「構造的な弱点」によるものが多く、ボンネットワイヤーを通す部分のゴムパッキン(グロメット)が劣化して、隙間から雨水が侵入してしまうケースが頻発しています。このゴムは年数が経つと硬化し、密閉性が失われてしまうためです。

また、助手席側のフロアが濡れている場合は、エアコンの排水経路(ドレンホース)が詰まっていたり、外れていたりすることが原因です。エアコンを使用した際に発生する結露水が正しく排出されず、車内に漏れ出してしまうことで発覚します。

さらに、エンジンルームからの水漏れにも注意が必要です。ウォーターポンプや冷却系ホースの劣化により冷却水(クーラント)が漏れ出すと、エンジンオーバーヒートのリスクが高まります。冷却水の漏れは色付き(緑・赤・ピンクなど)の液体が確認できることが多く、見た目で判断できる場合があります。

これらの水漏れは、ただちに致命的な不具合にはつながらないこともありますが、長期間放置すればカビや錆、電装品の故障など深刻な二次被害につながる可能性があります。

このように、ワゴンRでは雨漏り・結露・冷却水漏れといった複数の要因が水漏れの原因となり得ます。車内が湿っていたり水溜まりを発見した場合には、まず原因を特定し、必要に応じてディーラーや整備工場で診断してもらうことが大切です。 

雨漏りはリコール対象になるのか

ワゴンR 雨漏りはリコール対象になるのか
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRの雨漏りは、基本的にリコールの対象とはなっていません。これは、国が定めるリコールの基準に「安全性に関わる不具合」であることが必要とされているためです。

リコールは、車の走行やブレーキ、エアバッグなど命に関わる重大な機能に不具合がある場合に適用されます。一方、ワゴンRの雨漏りは多くの場合、車体の構造部やパッキンの劣化などが原因であり、「走る・曲がる・止まる」といった安全性に直接関係しないと判断されています。

実際に、ワゴンR(特にMH34SやMH44S型)で多く報告されているのは、ボンネットオープナーのワイヤーが通る部分にあるゴム製グロメットの破れです。ここから雨水が入り込み、運転席足元に水が溜まるという現象が発生しています。しかし、この不具合に対してもスズキはリコールを出しておらず、公式には「自然劣化」や「経年劣化」として扱われています。

これにより、ユーザーが修理を希望する場合は、自己負担で対応する必要が出てきます。ディーラーや整備工場でも、この部分の修理は「有償対応」が基本です。

ただし、購入から間もない場合や、保証期間内であれば、メーカーや販売店の判断で無償修理となるケースもあります。気になる症状がある場合は、まずディーラーに相談し、修理対象となるかどうかを確認するとよいでしょう。

このように、ワゴンRの雨漏りは「不快で困る不具合」ではありますが、現時点ではリコールの対象とはなっておらず、ユーザー自身がメンテナンスや修理で対応するしかないのが実情です。 

ワゴンR スティングレーの雨漏りに注意

ワゴンR スティングレーの雨漏りに注意
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンR スティングレーでは、特定の年式や型式において雨漏りが「持病」と言われるほど頻発しているケースがあります。特にMH34SおよびMH44S型は、ユーザーからの雨漏り報告が目立ちます。

問題の主な原因は、ボンネットオープナーのワイヤーが通るゴム製グロメットの劣化です。この部品は、車内と車外を隔てる部分に取り付けられており、劣化や破れがあると、タイヤが巻き上げた雨水がそこから車内に入り込んでしまいます。場所としては、運転席足元の奥、ヒューズボックスの裏側にあたるため、見つけにくく、発見が遅れることも珍しくありません。

一方、修理対応にも注意が必要です。このグロメットは単体での部品供給がなく、ボンネットワイヤーASSY(アッセンブリー)ごと交換する必要があるのが一般的です。部品代は数千円程度ですが、工賃がかかるため、修理費用が高額になる場合があります。

応急処置としてコーキングやブチルテープを使って隙間を塞ぐ方法もありますが、長期的に見れば部品交換を検討した方が安心です。なお、この問題はメーカー側でも「リコール対象外」とされており、保証期間外の場合は自己負担となる点にも注意が必要です。

このように、ワゴンR スティングレーにおける雨漏りは、構造上の問題によるものである可能性が高く、年式によっては同様の症状が繰り返し発生することがあります。車内に水が溜まる前に、早めの点検と対策を取ることが重要です。 

助手席の水漏れ事例もあり

ワゴンR 助手席の水漏れ事例もあり
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRでは、運転席だけでなく助手席側の水漏れも報告が増えています。特に梅雨や秋雨の季節になると、「助手席の足元が濡れている」という相談が多く寄せられています。

多くの場合、助手席側の水漏れはエアコンの排水系統(ドレンホース)に問題があるケースが目立ちます。ドレンホースとは、エアコン使用時に発生する結露水を車外に排出するための管です。このホースが詰まったり外れていたりすると、行き場を失った水が助手席のフロア側に流れ込んでしまうのです。

他にも、フロアパネルの腐食や穴あきによる浸水も報告されています。特に年式の古いワゴンRでは、長年の使用により車体下部が錆びてしまい、道路上の水が車内に入り込んでくる例もあります。さらに、過去に事故や板金修理を受けた車両では、接合部やパネル周辺のシール不良から雨水が侵入することもあります。

助手席の水漏れは、気づきにくいという点にも注意が必要です。運転中には足元の異変に気付きにくく、気付いた時にはすでにカーペットの裏まで水が浸透していることもあります。そのまま放置すると、カビや異臭、電装トラブルにつながる可能性があります。

このように、助手席側の水漏れはドレンホースやパネルの腐食などが原因で発生しやすく、年式や使用状況によっては複合的な要因も考えられます。助手席の足元が湿っている、カーペットが浮いているなどの症状が見られた場合は、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。 

冷却水の漏れにも注意しよう

ワゴンR 冷却水の漏れにも注意しよう
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRを所有している場合は、雨漏りだけでなく冷却水の水漏れにも注意が必要です。冷却水が漏れると、エンジンの温度管理ができなくなり、最悪の場合エンジンが故障する恐れがあります。

冷却水の漏れでよく見られる原因は、ウォーターポンプの劣化やホースの破損です。ウォーターポンプはエンジン内部を循環する冷却水を押し出すための重要な部品で、長年使用するうちにシール部分が摩耗して水漏れを起こすことがあります。また、ラジエーターとエンジンをつなぐホースも経年劣化で亀裂が入り、クーラントがにじみ出すことがあります。

冷却水漏れを見つけるためには、定期的な点検が効果的です。駐車場にピンクや緑の液体が垂れている、ボンネットを開けたときに甘いような独特のにおいがする、というのは冷却水漏れの典型的なサインです。また、エンジンルームに白い粉のようなものが付着している場合、それは乾いた冷却液が残ったものかもしれません。

そのままにしておくと、エンジンがオーバーヒートし走行不能になる可能性もあります。夏場はもちろん、冬でも冷却水が不足すればエンジンは高温になってしまいます。

このようなトラブルを未然に防ぐためには、冷却水の量や状態を定期的に確認することが大切です。特に5年以上経過した車や、10万km以上走行している車両では、冷却系のトラブルが起こりやすいため、予防的な部品交換も視野に入れておくと安心です。

冷却水の管理は地味に思えるかもしれませんが、エンジン寿命を左右する重要なメンテナンスポイントです。日常点検の一つとして、忘れずにチェックするようにしましょう。 

ワゴンRの冷却水はどこに入れるのか?

ワゴンRの冷却水はどこに入れるのか?
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRの冷却水は、ボンネット内にあるリザーブタンク(サブタンク)とラジエーター本体の2か所に注入する構造になっています。冷却水の補充や点検は、主にリザーブタンクで行います。

リザーブタンクは、半透明のプラスチック製で「LOW」と「FULL(またはMAX)」と書かれた目盛りが付いています。このタンクはエンジンルームの前方か側面に配置されており、エンジンが冷えている状態であれば目視で冷却水の量を確認できます。冷却水が「LOW」より下回っている場合は、指定の冷却液を補充する必要があります

一方、ラジエーター本体にも冷却水を注ぐ口がありますが、こちらは通常ふたを開ける必要はありません。ただし、冷却水が極端に減っていたり、エア噛み(空気混入)を起こしている場合はラジエーター側からの注入が必要になることもあります。この作業にはエンジンが完全に冷えた状態で行うことが必須です。高温時にキャップを開けると、熱湯が噴き出す恐れがあるため非常に危険です。

補充の際は、ワゴンRの取扱説明書に記載された適合のLLC(ロングライフクーラント)やスーパークーラントを使用するようにしましょう。異なる種類の冷却液を混ぜてしまうと、性能が低下したり冷却系統が詰まる原因になります。

冷却水は「ただの水」ではなく、エンジンを最適な温度に保ち、凍結や腐食を防ぐ大切な役割を担っています。車を長く快適に使うためにも、定期的な冷却水のチェックと適切な補充を心がけることが大切です。 

トランクの雨漏りの修理ポイント

ワゴンR トランクの雨漏りの修理ポイント
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRのトランクまわりで雨漏りが発生するケースも少なくありません。特に年数が経過した車両や、リアゲート付近のシール部分が劣化している車では、雨水がトランク内に侵入する可能性があります。

修理を行う際のポイントは、まず漏れている箇所の特定を正確に行うことです。トランク内に水が溜まっていたり、カーペットが湿っている場合は、リアゲート周辺のゴムモールやウェザーストリップの劣化が疑われます。この部品は雨水の侵入を防ぐ重要な役割を持っていますが、時間が経つと硬化したりヒビ割れが起き、密閉性が失われます。

また、リアコンビランプ(テールランプ)周辺のシール不良も見落とせない原因です。ランプユニットを固定する際のパッキンが劣化すると、そこから水が伝ってトランク内に侵入します。実際、整備工場での点検時にこの部分からの浸水が見つかることもあります。

DIYでの修理を考える場合は、コーキング剤や防水テープを使って仮補修する方法があります。ただし、原因箇所を間違えると効果が得られず、かえって水の逃げ場がなくなってしまうこともあります。確実に修理するには、パーツの交換やシールの打ち直しといった作業が必要になるため、経験の少ない方には少々難易度が高めです。

このように、ワゴンRのトランク雨漏りは、ゴム部品の経年劣化や接合部のシール不良が主な原因となっています。水の浸入が続くと車内が湿気りやすくなり、カビや異臭、サビの発生にもつながるため、異変に気付いたら早めの点検・修理を検討しましょう。 

ワゴンRの運転席の足元が水漏れした時の対処法と修理

ワゴンRの運転席の足元が水漏れした時の対処法と修理
SUZUKI公式
  • スズキの車の水漏れの原因を特定する方法
  • 水漏れを自分で修理できる?
  • 運転席や助手席の水漏れの修理代の目安
  • 運転席の下からの浸水の見つけ方
  • ボンネットワイヤーまわりの水漏れ対策
  • 車の助手席側に水が入っていたらどうする?
  • ワゴンRの運転席の足元が水漏れした時の原因と対策まとめ

スズキの車の水漏れの原因を特定する方法

ワゴンR スズキの車の水漏れの原因を特定する方法
軽自動車ナビ・イメージ

スズキの車に限らず、水漏れを正しく修理するには、まず原因を的確に特定することが最優先です。水がどこから入ってくるのかが分からないまま対処しても、根本的な解決にはなりません。

水漏れの原因を探るうえで、最も有効なのは水の種類と発生条件を見極めることです。例えば、雨の日だけ発生するなら「雨水」の侵入が考えられ、天候に関係なく発生する場合は「冷却水」や「エアコンの結露水」である可能性が高くなります。

次に行いたいのが、濡れている場所の位置確認です。フロアカーペットが湿っていれば、その真上や周辺の部品や構造をチェックします。運転席や助手席の足元が濡れているなら、グロメット(配線やワイヤーの通るゴム部品)やドレンホースの詰まり、さらにはボディパネルの接合部のシーリング劣化が疑われます。

補助的な方法として、シャワーテストがあります。これは洗車用ホースなどで車体に水をかけ、どのタイミングでどこから水が侵入してくるのかを確認するテストです。車内には新聞紙やペーパータオルを敷いておくと、どの部分が最初に濡れたかが分かりやすくなります。

また、冷却水が減っている場合には、エンジンルーム内を点検してウォーターポンプやラジエーター、ホース類に漏れ跡がないかを調べます。冷却水はピンクや緑色のものが多く、漏れた部分が白く粉をふいたように見えることもあるため、視覚的な手がかりになります。

このように、スズキの車で水漏れの原因を特定するには、水の種類・発生タイミング・濡れている位置の3点に注目することが重要です。複数の要因が絡む場合もあるため、判断が難しいと感じたら、迷わず整備工場での診断を受けることをおすすめします。 

水漏れを自分で修理できる?

ワゴンR 水漏れを自分で修理できる?
軽自動車ナビ・イメージ

車の運転席からの水漏れは、状況によっては自分で修理することが可能です。ただし、どの程度まで自力で対応できるかは、水漏れの原因や車の構造によって異なります。

比較的修理しやすいのは、目に見えるゴムパーツの劣化や、簡単にアクセスできる部分からの漏れです。例えば、スズキ・ワゴンRでよくあるケースでは、ボンネットワイヤーが通る部分のゴム製グロメットが劣化して隙間ができ、そこから雨水が侵入することがあります。このような場合には、カー用品店などで手に入るブチルテープやコーキング剤を使って隙間を埋めることで、一時的に雨漏りを防ぐことが可能です。

また、エアコンのドレンホースの詰まりが原因であれば、ホースの清掃や接続の確認なども自力で行える範囲です。ジャッキアップ不要な構造であれば、車の下に潜ることなく対処できるケースもあります。

一方で、修理が難しいのは、車体下部の腐食や、パネルの継ぎ目からの水の侵入など、構造上のトラブルが原因の場合です。このようなケースでは、内装を大きく取り外す必要があり、電装部品やエアバッグ周辺を扱うことにもなりかねません。素人作業で誤って配線を傷つけてしまうと、より深刻な故障に発展する可能性があります。

このため、簡易的な補修ならDIYで可能ですが、構造に関わる修理や見えない場所の漏れについては、整備工場に依頼した方が安全かつ確実です。最初は応急処置をしても、根本原因を突き止めてしっかり修理することが、長く安心して車に乗るためのポイントです。 

運転席や助手席の水漏れの修理代の目安

ワゴンR 運転席や助手席の水漏れの修理代の目安
軽自動車ナビ・イメージ

車の運転席・助手席に水が漏れるトラブルは、原因によって修理費用に大きな差が出るのが特徴です。軽微なものでは数千円で済む一方、構造的な問題が関係している場合には数万円を超えることもあります。費用を把握するうえで重要なのは、「水の侵入箇所」と「修理の難易度」の2点です。

まず、最もよくある原因は、ゴム製グロメットやウェザーストリップの劣化です。これらの部品は、雨水や路面の跳ね返りから室内を守る役割を持っていますが、経年劣化によって隙間ができ、そこから水が侵入します。このようなケースでは、部品代が1,000円前後、作業も比較的簡単なため、全体の修理代は5,000円〜10,000円程度に収まることが多いです。

次に、エアコンのドレンホースが詰まっていたり外れていたりするケースでは、パーツ交換が不要で、清掃だけで解決することもあります。このような簡易処置で済む場合、工賃込みで5,000円前後が目安です。ただし、ディーラーや整備工場によっては、最低点検料が別途かかることもあるため、事前に確認が必要です。

一方で、車体そのものに腐食や穴が空いている場合は要注意です。フロアパネルの修復には溶接やパテ処理といった鈑金作業が必要になるため、2万〜5万円以上の費用がかかる可能性もあります。また、浸水したことによってカーペットや吸音材がダメになっていると、それらの部品交換費用も上乗せされます。

冷却水の漏れが水浸しの原因である場合には、ウォーターポンプやホース類の交換が必要です。この場合、部品と工賃を含めて15,000〜30,000円程度の出費を見込む必要があります。冷却水漏れは放置するとエンジンのオーバーヒートを招くリスクがあるため、早急な対応が求められます。

このように、水漏れの修理費用は原因の特定と作業の複雑さによって変動するのが一般的です。安易な自己判断はリスクが伴うため、まずは整備工場やディーラーで点検を受け、原因に応じた最適な修理プランを提示してもらうのがベストです。複数の見積もりを比較することで、無駄な出費を抑えることにもつながります。 

運転席の下からの浸水の見つけ方

ワゴンR 運転席の下からの浸水の見つけ方
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRの運転席下に水が溜まっている場合、その原因を見つけるにはいくつかのチェックポイントを順に確認することが大切です。外から見ただけでは気付きにくいため、車内の一部を外して確認する必要があります。

最初に確認したいのは、フロアカーペットの状態です。足元に湿り気がある、または明らかに水が溜まっている場合、すでに浸水が進行している可能性があります。このとき、カーペットを軽く押してみて水がにじみ出るようであれば、内部にまで水が入り込んでいると考えられます。

次に行うべきなのは、カーペットを一部めくる作業です。運転席の座席をずらすか取り外し、フロアの鉄板部分が見えるようにします。ここで水の筋やサビが見つかれば、どこかから水が流れ込んでいる証拠です。特にヒューズボックスの裏側は見逃されがちなポイントで、ここに水跡がある場合は、ボンネットワイヤーのグロメット劣化が疑われます。

車の下回りを確認することも重要です。下から覗いてサビや穴が空いていないかをチェックしましょう。車体の底部に錆が広がっていたり、穴が開いていた場合は、そこから水が入り込んでいる可能性があります。加えて、近年の修復歴がある車両であれば、パネルの接合部から雨水が侵入することもあるため、念入りな確認が必要です。

こうした点検を行っても原因が特定できない場合は、洗車やホースを使ったシャワーテストを行うと、漏れ箇所を特定しやすくなります。運転席周辺に新聞紙やタオルを敷いておき、どこが先に濡れるかを確認すると効果的です。

浸水の原因を正しく把握することができれば、無駄な修理を避けることにもつながります。見つけにくい場所に原因があるケースも多いため、目視だけで判断せず、可能であれば整備工場に相談するのが安心です。  

ボンネットワイヤーまわりの水漏れ対策

ワゴンR ボンネットワイヤーまわりの水漏れ対策
軽自動車ナビ・イメージ

ワゴンRにおける水漏れトラブルの中で、特に多く報告されているのがボンネットワイヤーまわりからの浸水です。この問題は、ボンネットオープナーのワイヤーが車内と車外を貫通する部分にあるゴム製グロメットの劣化が主な原因となっています。

このグロメットが硬化・ひび割れ・脱落すると、雨天時に前輪が跳ね上げた水がその隙間から室内に侵入し、運転席足元のフロアカーペットが濡れるという現象が起こります。見た目にはわかりづらく、ヒューズボックスの裏側を覗き込まなければ浸水箇所を特定できないこともあるため、原因がわかるまで時間がかかるケースもあります。

対策として有効なのは、グロメット周辺の防水処理です。まず、内装の一部(ヒューズボックス周辺)を取り外し、ワイヤーの通り道を露出させます。その上で、グロメットの状態を確認し、明らかに劣化している場合は部品交換が望ましいですが、単体で取り寄せできない場合はワイヤーASSYごとの交換になります(部品代約4,000〜5,000円が目安です)。

すぐに交換が難しい場合には、応急処置としてコーキング剤やブチルテープでグロメット周辺の隙間を塞ぐ方法もあります。このとき、車内側と車外側の両方から防水処理を行うことで、より高い効果が期待できます。なお、車外側の作業は右前タイヤとインナーフェンダーを外す必要があるため、ある程度の整備経験が求められます。

このように、ボンネットワイヤー部分の水漏れは発見されにくく再発もしやすいため、早めの点検と対処が重要です。DIYで処理することも可能ですが、長期的に安心したい場合は整備工場での本格的な修理を検討することをおすすめします。 

車の助手席側に水が入っていたらどうする?

ワゴンR 車の助手席側に水が入っていたらどうする?
SUZUKI公式

助手席の足元が濡れているのを見つけたときは、原因を冷静に見極めて、適切に対処することが重要です。焦って表面だけを拭いても、根本的な解決にはなりません。

まず確認したいのが、雨の日にだけ濡れるか、それとも晴れの日でも濡れているかという点です。雨の日だけであれば、雨水の侵入が疑われます。具体的には、ドアのウェザーストリップの劣化、フロントガラスのシール不良、エアコンのドレンホースの外れなどが考えられます。一方、天気に関係なく濡れる場合は、エアコンの結露水漏れや冷却系統のトラブルの可能性があります。

次に行いたいのは、水の出所を特定することです。カーペットをめくって、水がどこから伝ってきているか、どのあたりが一番濡れているかを丁寧に観察しましょう。可能であれば、車体の下部やエンジンルーム内を覗いて、漏れ跡や濡れている部分を探すのも有効です。

仮に水漏れの場所が特定できなくても、車内に水分を残さないことが大切です。濡れたマットやカーペットは取り外し、新聞紙やタオルでしっかり吸水したあと、可能であれば直射日光の下で完全に乾かします。湿気を放置すると、カビや悪臭の原因になるだけでなく、配線や電子機器への悪影響も起こり得ます。

DIYで原因が分かれば簡易的な修理も可能ですが、再発リスクを避けるためには整備工場での点検がおすすめです。目に見えない場所での漏れや、複数箇所からの水侵入が重なっているケースもあるため、プロの視点での確認が安心につながります。

助手席の水漏れは放置しても自然に直ることはありません。異変を感じた時点で早めに対応することで、被害を最小限に抑えることができます。 

ワゴンRの運転席の足元が水漏れした時の原因と対策まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • ボンネットワイヤー部のグロメット劣化が主な侵入経路
  • MH34SやMH44S型で構造的な水漏れが多発
  • 雨の日に限って水が入るなら雨水の侵入が濃厚
  • 天候に関係なく濡れる場合はエアコンや冷却水が原因の可能性
  • 運転席足元の水漏れはヒューズボックス裏の確認が重要
  • 修理にはワイヤーASSYごとの交換が必要な場合がある
  • 応急処置としてコーキングやテープの活用も可能
  • 修理費用は5,000円〜50,000円以上と原因で幅がある
  • 水が入った状態を放置するとカビや配線トラブルのリスクが高い
  • シャワーテストで漏れ箇所を特定する方法が有効
  • 冷却水漏れはピンクや緑の液体で判断しやすい
  • リコール対象ではないため修理は基本的に自己負担
  • 助手席側の水漏れはエアコンのドレンホース不良が多い
  • トランクの水漏れはテールランプ周辺のシール不良が原因になることも
  • DIY修理は可能だが見えない部分は整備工場に任せた方が安全