
軽自動車の中でも人気の高いダイハツ「タント」ですが、購入前に気になるのがやはり「タントの欠点」ではないでしょうか。燃費性能や価格のバランス、運転席が狭いと感じることがあるのか、あるいは実際に運転しにくいのかなど、不安を抱える方も少なくありません。
また、購入後に「後悔した」という声を見聞きすると、より慎重に検討したくなるのは当然です。中古車市場でのタントのデメリットや、チェックランプの点灯・点滅が意味するもの、エンジンのノッキングといった機械的な問題も事前に知っておきたいところです。
さらに、タントは車高が高めなため、高さ制限に引っかかる場面もあり得ますし、実際の航続可能距離も使い方次第で変動します。上級グレードであるタントカスタムに関しては、不人気と言われる理由や、N-BOX・スペーシアといった他の人気軽自動車との比較も検討材料となります。
この記事では、「何年乗れるのか」といった耐久性から、過去のリコール情報まで幅広く取り上げ、タントのメリットとデメリットをバランスよく整理しています。後悔のない選択をするために、購入前にぜひ最後までご覧ください。
タントの欠点を知って後悔しないために

- タントの燃費は本当に良いのか?
- 運転席は狭い?運転しにくいのは本当?
- 中古のデメリットとはどこにある?
- チェックランプの点灯・点滅の原因とは
- ノッキングの症状と対策について
- 高さ制限に引っかかる場面は?
- 航続可能距離はどれくらい?
- タントの主なスペックを紹介
タントの燃費は本当に良いのか?

タントは軽自動車の中でも燃費性能に優れているとされていますが、実際に「本当に良いのか?」と感じるかどうかは使い方によって変わってきます。
タントの燃費は、WLTCモードで18.2〜22.7km/L、JC08モードで22.3〜27.2km/Lと公表されています。これは、他の軽自動車と比べても決して悪い数値ではありません。特に街乗り中心であれば、20km/L前後の実燃費が期待できます。
ただし、注意点もあります。タントは背が高く、室内空間が広い設計です。そのぶん車体重量があり、エアコンや多人数乗車、高速道路での巡航時には燃費が落ちやすい傾向があります。例えば、長距離走行や坂道の多い地域での運転が中心の方にとっては、カタログ値とのギャップが大きく感じられるかもしれません。
また、ターボエンジンを搭載したグレードでは、加速性能は良くなる反面、燃費は自然吸気モデルより劣る傾向にあります。燃費重視で選ぶなら、ターボなしのノーマルグレードが現実的です。
このように、タントは確かに「燃費が良い」と言える車種ですが、全ての使用環境で常に良好な燃費を発揮するわけではありません。日常の使い方や走行環境をふまえて選ぶことが、満足感につながるポイントです。
運転席は狭い?運転しにくいのは本当?

タントの運転席について「狭い」「運転しにくい」と感じる人がいるのは事実です。ただし、それがすべての人に当てはまるわけではありません。
まず、タントは全体的に室内空間が広く、特に後部座席や助手席側の開口部が大きいことが特長です。その一方で、運転席まわりのレイアウトはコンパクトに設計されているため、身長の高い人や体格が大きい人にとっては窮屈に感じる場合があります。特にシートの厚みが薄めであったり、アームレストの位置が低いなど、小柄な方を基準に設計されているような印象を受けることもあります。
また、ダッシュボードやメーター類の位置が高めに感じる人もおり、視界がやや圧迫されるという声も見られます。これが「運転しにくい」と評価される要因の一つです。例えば、バック時や狭い道での取り回しに不安を覚える方もいます。
一方で、車幅が狭く小回りが利くという点では非常に扱いやすい軽自動車でもあります。ドアミラーの視認性や運転補助機能も充実しているため、慣れれば快適に感じる人も少なくありません。
このように、タントの運転席は使用者の体格や感覚により評価が分かれるポイントです。試乗して自分に合っているか確認することが、後悔しない選び方につながります。
中古のデメリットとはどこにある?

中古のタントを検討する際、価格の安さや購入のしやすさに注目が集まりがちですが、見逃せないデメリットも存在します。
まず挙げられるのが、前のオーナーの使い方によって車両状態に大きな差がある点です。特にタントは子育て世代や送迎用途で使われることが多く、短距離走行や頻繁な乗り降りによるボディや内装の劣化が見られるケースもあります。例えばスライドドアのレール部分にガタつきがある車や、シートのへたりが早い車両も少なくありません。
さらに、年式が古いモデルの場合は安全装備や運転支援機能が乏しく、現在の基準では物足りなく感じることがあります。衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などが搭載されていないグレードも多く、安全面を重視する方にとってはマイナス要因になるでしょう。
また、中古車市場では人気のあるモデルほど価格が下がりにくい傾向にあります。タントは需要が高いため、走行距離のわりに割高と感じることもあるかもしれません。購入時には新車価格との比較も欠かせません。
このように、タントの中古車はコストパフォーマンスの良さが魅力である反面、個体差や機能面での不足、価格の割高感などがデメリットとなる場合があります。購入前には状態チェックや装備の確認を丁寧に行うことが大切です。
チェックランプの点灯・点滅の原因とは

タントのメーター内にあるチェックランプが点灯・点滅したときは、何らかの異常を車が検知しているサインです。無視して走行を続けると重大なトラブルに発展する可能性があるため、早めの確認が必要です。
チェックランプが点灯する主な原因は、エンジンや排気系統、センサー類に関係する不具合です。たとえばO2センサーやスロットルポジションセンサーの故障が挙げられます。これらの部品が正常に機能していないと、燃料と空気のバランスが崩れ、燃費の悪化や加速不良を引き起こします。
また、バッテリーや点火系のトラブルでもチェックランプが点く場合があります。過去には、バッテリー交換後に学習リセットが行われていないことでランプが点灯し続けるケースも確認されています。
一方で、ガソリンキャップの締め忘れなど、比較的軽微な原因で点灯することもあります。ガソリンの揮発を抑えるシステムが正しく作動していないと判断されると、チェックランプが誤検知で点くことがあります。
このように、点灯や点滅の背景にはさまざまな原因が考えられます。正確な診断のためにはディーラーや整備工場での故障診断機によるチェックが不可欠です。自己判断は避け、なるべく早く専門家に相談することが安全運転への第一歩です。
ノッキングの症状と対策について

タントに限らず、ノッキングはエンジン内部で異常な燃焼が起きたときに発生する現象です。軽自動車でもこの症状が出ることがあり、気づかずに放置するとエンジンに深刻なダメージを与える恐れがあります。
ノッキングの主な症状は、「カリカリ」「コンコン」といった金属音のような異音です。特にアクセルを踏んだ直後や登り坂での加速時に発生しやすく、エンジンの振動がいつもより強く感じられることもあります。初めて経験する人は「どこかの部品が外れたのでは?」と不安になるような音です。
ノッキングの原因にはいくつかのパターンがあります。まず、燃料の質が適していない場合や、点火時期がずれていると、空気とガソリンの混合気が異常燃焼を起こしやすくなります。
また、エンジン内部のカーボン堆積や、EGR(排気ガス再循環)装置の詰まりなども影響します。これらの問題は年式の古い車や長距離を走行している車両で特に起こりやすい傾向です。
対策としては、まず高品質なガソリンを使用することが基本です。エンジンオイルの定期交換や、定期的な点火系統の点検も有効です。もしノッキングが頻繁に起こるようであれば、ディーラーや整備工場で点火時期の確認やセンサー類の点検を受けることをおすすめします。
タントであってもノッキングを完全に無視するのは危険です。音や振動に気づいたときは早めに対処することで、エンジン寿命を守ることができます。
高さ制限に引っかかる場面は?

タントは軽自動車の中でも背が高い部類に入るため、まれに高さ制限に注意が必要な場面があります。特に駐車場や立体施設などで制限に引っかかる可能性があるため、事前の確認が重要です。
まず、タントの車高はおおよそ1,750mm前後(グレードによって異なる)となっており、軽自動車の中では比較的高めです。これは、広い室内空間を実現するための設計ですが、その分高さ制限の厳しい場所では出入りできないリスクが生じます。
実際に引っかかりやすいのは、高さ制限1.55m~1.7mの立体駐車場です。都市部のマンション併設駐車場や商業施設では、このような制限が設けられていることが多く、事前に高さを確認せずに入ろうとすると、バーに接触する危険があります。とくに「ハイルーフ車不可」と書かれた案内がある場合は要注意です。
また、カーシェアリングやレンタカーを利用する方がタントに乗る場合、自宅や目的地の駐車環境を十分に確認していないと困ることがあります。例えば旅行先のホテルや観光施設では、予想以上に低い制限があることもあります。
このように、タントの高さは普段の運転には問題ない範囲ですが、駐車施設によっては制限にかかることがあるため、事前のチェックを習慣づけることが安全でスムーズな運転につながります。
航続可能距離はどれくらい?

タントの航続可能距離は、満タン時でおよそ540〜660km前後が目安です。これはガソリンタンク容量約30リットルと、カタログ燃費18〜22km/L(WLTCモード)から算出した理論値です。
ただし、実際の運転環境によってこの距離は大きく変動します。たとえば、街乗りで信号の多い道を走ったり、渋滞が多い都市部では、実燃費が落ちて400km台で給油が必要になることもあります。一方で高速道路など燃費が伸びやすい環境では、カタログに近い航続距離が出る場合もあります。
また、ガソリンランプ(給油警告灯)が点灯してから走行できる距離についても気になる方は多いでしょう。タントの場合、点灯後の残量はおおよそ4〜5リットルとされ、走行可能距離は約30〜50km程度が目安です。ただ、エアコン使用や急加速が多い状況ではそれより短くなる可能性もあるため、警告灯が点いたらなるべく早く給油することが安全です。
このように、カタログ値に頼りすぎず、日常の走行環境に応じて「実際どれくらい走れるのか」を意識することが、安心して運転を続けるためのポイントになります。メーター表示の数値だけでなく、早めの給油と燃費管理を心がけると安心です。
タントの主なスペックを紹介

タントのモデル別の主なスペックを以下の表にまとめています。
車名 | グレード | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 | 定員 | 燃費(WLTC) | サイズ(全長×全幅×全高 mm) | タイヤサイズ | 価格(税込) | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイハツ タント | X | 6BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.2km/L | 3,395×1,475×1,755 | 155/65R14 | 約1,485,000円~ | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タント | L | 6BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.8km/L | 3,395×1,475×1,755 | 145/80R13 | 約1,390,000円~ | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントカスタム | X | 5BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.2km/L | 3,395×1,475×1,755 | 165/55R15 | 約1,745,000円~ | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントカスタム | RS | 5BA-LA660S | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約20.0km/L | 3,395×1,475×1,755 | 165/55R15 | 約1,870,000円~ | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントファンクロス | ファンクロス | 5BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約20.2km/L | 3,395×1,475×1,780 | 165/60R15 | 約1,705,000円~ | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントファンクロス | ファンクロスターボ | 5BA-LA660S | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約19.6km/L | 3,395×1,475×1,780 | 165/60R15 | 約1,815,000円~ | DAIHATSU公式 |
タントの欠点と他車比較・購入前の注意点

- タント カスタムの欠点や不人気の理由とは
- タントのメリットを紹介
- N-BOX・スペーシアとの比較
- 価格は?満足度は高いのか?
- 後悔しないためのチェックポイント
- 何年乗れる?耐久性を検証
- リコール理由に見る品質の課題
タント カスタムの欠点や不人気の理由とは

タント カスタムは、タントの上位グレードとしてスタイリッシュな外観や装備の充実を特徴としていますが、人によっては「思ったより満足できなかった」と感じることもあります。その背景にはいくつかの欠点や不満点が存在しています。
まず目立つのが価格の高さです。タントカスタムは内外装のグレードアップや装備追加により、ノーマルモデルよりも数十万円高く設定されています。しかし、その割に走行性能や燃費に大きな差があるわけではなく、「価格差ほどの価値を感じにくい」との声も少なくありません。特に燃費に関しては、装備が増えるぶん車重が増し、ノーマルモデルより若干劣る傾向があります。
また、デザイン面で好みが分かれるのも特徴です。フロントマスクのメッキ加飾やヘッドライト形状はインパクトがありますが、控えめなデザインを好む人にとっては「派手すぎる」と感じることがあります。そのため、見た目の好みが合わず購入を見送るケースもあります。
装備面では、たしかに快適性は向上していますが、ベース車と基本構造が同じであることから「高級感に物足りなさを感じる」という意見もあります。特に他メーカーの上位軽モデルと比べると、インテリアの質感や遮音性で差を感じる場面があるかもしれません。
このような点から、タント カスタムは決して「欠陥車」ではないものの、価格や見た目、期待値とのギャップによって後悔につながるケースがあります。購入前には、ノーマルタントとの違いや、自分が何を重視するかをしっかり整理しておくことが大切です。選び方を誤ると、「思っていたのと違った」と感じやすいモデルでもあるのです。
タントのメリットを紹介

タントは軽自動車でありながら、使い勝手や室内空間の広さ、安全性能など多くの面で優れており、特にファミリー層や子育て中のユーザーに人気の高い車種です。ここではタントならではの主なメリットをわかりやすく整理します。
開口部の広さと乗降性の良さ
タント独自の「ミラクルオープンドア」構造により、助手席側はセンターピラーがない大開口となっており、小さなお子さんの乗せ降ろしや大きな荷物の積み下ろしが非常にスムーズです。ベビーカーや買い物袋の出し入れなど、日常のちょっとしたストレスを軽減してくれます。
広々とした室内空間
軽自動車とは思えないゆとりある車内は、大人4人が乗っても圧迫感を感じにくく、特に後部座席は足元スペースが広くリラックスできるつくりになっています。天井も高いため、圧迫感が少なく、長距離移動でも快適に過ごせるでしょう。
安全装備の充実
最新モデルでは、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報、誤発進抑制機能など、コンパクトカーにも引けを取らない先進的な安全機能が搭載されています。グレードによっては標準装備されており、家族を乗せる車として安心感があります。
小回りの良さと扱いやすさ
車体サイズは軽自動車の基準内に収まっているため、狭い道や駐車場でも取り回しがしやすく、運転が苦手な人でも扱いやすいと評価されています。視点が高く、前方の見晴らしも良好なため、運転初心者にも向いています。
このように、タントには「広さ」「乗りやすさ」「安全性」「実用性」といった多方面にわたるメリットがあります。軽自動車であっても快適性と機能性をしっかり求めたいという方には、非常にバランスの取れた選択肢だといえるでしょう。
N-BOX・スペーシアとの比較

タント・N-BOX・スペーシアはいずれも人気の軽スーパーハイトワゴンで、使い勝手や安全性を重視するユーザーから高い支持を受けています。ただ、見た目や装備が似ていても、それぞれの個性には明確な違いがあります。
まず、室内空間の広さと使い勝手という点では、タントが強みを持っています。助手席側が柱なしで大きく開く「ミラクルオープンドア」は、乗り降りや荷物の積み下ろしがしやすく、子育て世代に特に好まれます。一方で、N-BOXやスペーシアは通常のピラードア構造のため、開口部の広さではやや劣る印象です。
次に、走行性能と静粛性を重視するなら、N-BOXが一歩リードしています。ホンダ独自のエンジン設計とサスペンションの仕上がりにより、加速の滑らかさや安定感に定評があります。運転時の静かさや振動の少なさも、多くのドライバーに高評価されています。
一方で、燃費性能やコスパ重視ならスペーシアに注目すべきです。マイルドハイブリッドを搭載しており、カタログ燃費は3車種の中で最も良好です。さらに、車重が軽く燃費が安定しやすい点も特徴です。ただし、加速や力強さではやや物足りなさを感じる場合もあります。
このように、タント・N-BOX・スペーシアはそれぞれに明確な強みがあります。乗降性を重視するならタント、走りの快適さを求めるならエヌボックス、経済性を優先するならスペーシアが有力な選択肢となるでしょう。何を重視したいかを明確にしてから比較することが、後悔のないクルマ選びにつながります。
価格は?満足度は高いのか?

タントの価格帯は、グレードや装備によって幅があります。ノーマルモデルのベースグレードであれば新車価格は約140万円台から購入可能です。一方で、上級グレードやタントカスタム、ターボモデルになると200万円を超えることもあり、オプションを加えると総額で250万円近くになるケースもあります。
ただし、その価格に見合うだけの装備や利便性は備わっています。電動スライドドアや先進安全装備、開口部の広い設計など、ファミリー層や高齢者にも使いやすい設計が好評です。特に子育て中の世帯からは「ドアの開け閉めが楽」「荷物の出し入れがスムーズ」といった声が多く、満足度は高い傾向にあります。
一方で、「軽自動車としては価格が高すぎる」と感じる人もおり、加速性能や静粛性など、走りの質を重視するユーザーにとっては割高に思える場合もあります。内装の質感や遮音性はコンパクトカーほどではなく、価格に見合う高級感を求める人にはやや物足りなさを感じることがあるかもしれません。
なお、中古市場に目を向けると、状態の良い3〜5年落ちモデルであれば90〜130万円前後が相場です。人気モデルであるため値落ちは比較的緩やかですが、新車より手頃に手に入る点は魅力です。ただし、グレードや装備内容によって価格差が大きいため、購入時には年式や走行距離、装備内容をしっかり比較検討する必要があります。
このように、タントは価格と機能のバランスをどう評価するかで満足度が左右される車種です。ライフスタイルに合っていれば価格以上の価値を感じられる一方で、用途とずれていると「割高」と感じてしまうこともあります。新車・中古を問わず、選ぶ際には用途と予算のバランスを慎重に見極めることが大切です。
後悔しないためのチェックポイント

タントを購入してから「思っていたのと違った」と後悔しないためには、購入前にいくつかのポイントをしっかり確認しておくことが大切です。特に初めて軽スーパーハイトワゴンを選ぶ人にとっては、事前のチェックが満足度に大きく影響します。
まず注目したいのはグレード選びです。ベースグレードは価格が手ごろですが、安全装備や快適機能が省かれていることがあります。一方、上位グレードでは電動スライドドアや衝突被害軽減ブレーキなどが標準装備されており、使い勝手や安心感が大きく向上します。自分の用途に応じて、必要な装備が含まれているかを細かく確認することが重要です。
また、運転のしやすさも購入前にチェックすべきポイントです。タントは車高が高く見晴らしは良いですが、運転席周辺のスペースや視界の取り方にクセを感じる人もいます。たとえば体格によっては「シートが狭く感じる」「ミラーの位置が気になる」といった声もあるため、購入前には必ず試乗して感覚を確かめましょう。
駐車スペースとの相性も見落としがちな点です。タントは軽自動車ながら全高が約1,750mmあるため、立体駐車場や機械式駐車設備では高さ制限に引っかかる場合があります。自宅やよく使う施設の駐車場の制限を事前に確認しておくと安心です。
さらに、中古で検討する場合には整備履歴やリコール対応の有無、消耗部品の状態も要チェックです。特に走行距離が5万kmを超える車両では、タイヤやバッテリー、CVTの挙動などを入念に確認しておく必要があります。
このように、後悔を避けるためには「価格」や「デザイン」だけでなく、使用シーンや車両の状態に合っているかを多角的に見ることが大切です。少しでも不安がある場合は、第三者の意見やプロの点検を活用して判断すると良いでしょう。
何年乗れる?耐久性を検証

タントは、適切なメンテナンスを行えば10年または10万km以上の走行も十分に可能な車種です。軽自動車という枠に収まらない室内空間の広さと利便性から、長く使い続けるユーザーも多く見られます。
実際、軽自動車全体の平均使用年数は約13年とされており、タントも例外ではありません。ただし、寿命を左右するのは「年数」よりも「使用状況」と「整備状態」です。短距離の繰り返し走行やオイル交換の不備は、エンジンや駆動系の劣化を早める要因となります。
特に注意したいのは、CVT(無段変速機)の劣化です。タントはCVTを搭載しているため、経年によるショックや異音、加速の鈍化が起こることがあります。こうしたトラブルを防ぐには、定期的な点検と部品の交換が欠かせません。
他にも、スライドドアやパワーウィンドウといった電動装備は、年数が経つと不具合が出やすい部分です。頻繁に使用する部位だからこそ、ちょっとした異音や動作の遅れにも注意が必要です。
このように、タントの耐久性は「しっかりと手をかければ長く乗れる車」であると言えます。年1回の定期点検と消耗品の早めの交換を続ければ、10年以上の使用も現実的です。中古で購入する場合も、整備記録がしっかり残っている車を選ぶことが長く乗るための第一歩となります。
リコール理由に見る品質の課題

タントは使い勝手の良さで人気のある軽自動車ですが、過去にはいくつかのリコールが発生しており、その内容から品質に関する課題も浮き彫りになっています。
これまでの主なリコール理由としては、燃料ポンプの不具合や電動パワースライドドアの誤作動、シートベルトの固定不良などが報告されています。特に燃料ポンプの問題では、エンジンが突然停止する可能性があるとして、多くのユーザーに影響が出ました。こうした不具合は、走行中の安全性に直接関わるため見逃せないポイントです。
また、電動スライドドアに関するリコールも複数回発生しています。具体的には、ドアの開閉時に途中で止まってしまう、または自動で動かなくなるといった内容で、利便性を売りにしているタントにとっては致命的なイメージダウンにつながる問題でした。
これらのリコールはすべて無償で修理対応されており、安全性やメーカーの対応に問題があるわけではありません。しかし、頻度や内容を見ていくと、「電子制御部品の耐久性」や「細かな部品精度」に関して改善の余地があることがうかがえます。
このように、リコールは必ずしも欠陥車であることを示すわけではありませんが、設計や製造段階での見直しが必要な部分を示す重要なサインでもあります。購入前や中古車検討時には、リコール履歴や対策状況をしっかり確認することが、後悔しない選択につながります。
タントの欠点とメリットを理解して納得の選択を
記事のポイントをまとめます。
- 背が高く一部の立体駐車場に入れないことがある
- 運転席がコンパクトで体格によっては窮屈に感じることがある
- 車重があるため、状況によっては燃費が伸びにくい
- 高速や登坂では実燃費が大きく落ちることがある
- 中古車は使用状況により状態差が大きい
- スライドドアの故障リスクが年数経過で高まる
- 古いグレードは先進安全装備が搭載されていない場合がある
- 人気モデルのため中古価格が高止まりしやすい
- チェックランプの点灯原因が多岐にわたるため特定に手間取る
- ノッキング発生時はエンジンへの負担が大きい
- 電装系のリコール歴が複数あり、電子部品の耐久性に課題がある
- ターボ仕様は燃費性能がやや劣る
- 全高があるため一部施設での制限に注意が必要
- 上級グレードの価格に対して高級感に物足りなさを感じる場合がある
- 運転補助機能や静粛性では一部ライバル車に及ばない場面がある
- ミラクルオープンドアにより乗り降りが非常にしやすい
- 室内空間が広く、後席の足元もゆったりしている
- 小回りが利き運転しやすいため初心者にも向いている
- 安全装備が充実しており、ファミリー層にも安心
- 高い視点と広いガラスエリアで見通しの良い運転ができる