
「タントは軽自動車じゃない?」と思ってこの記事にたどり着いた方の多くは、タントの見た目や装備、ナンバープレートの色などから「普通車なのでは?」と感じた経験があるのではないでしょうか。
実際、タントやタントカスタムは外観の高級感や室内の広さから、軽自動車らしくない印象を持たれがちです。さらに、白ナンバーを装着しているタントを見かけた場合、「ナンバープレートが白いのはなぜ?」と疑問に感じる方も少なくありません。
この記事では、そうした疑問にお答えするために、タントが軽自動車である理由やその分類、普通車との違い、そして「白ナンバーはやめてほしい」という声の背景まで詳しく解説していきます。
また、タントと似た車として比較対象になるN-BOXやスペーシア、タフトとの違いや、タントと同じ車として販売されているOEM車種との見分け方についても紹介します。5ナンバー車であるタントがどのような車種に分類され、どのような誤解を生みやすいのかを、わかりやすくお伝えします。
軽自動車と普通車、それぞれのメリットを理解しながら、納得のいく車選びができるよう、ぜひ参考にしてください。
タントが軽自動車じゃないと思われる理由とは

- タントはどのような車種に分類されますか?
- ナンバープレートが白である理由
- タントカスタムが普通車と誤解されるワケ
- 5ナンバーである意味と分類
- 軽自動車の白ナンバーは「やめてほしい」という声
- 普通車と軽自動車の見分け方は?
- タントと主な車種のスペック
タントはどのような車種に分類されますか?

タントは、日本の「軽自動車」に分類される車種です。排気量や車体のサイズなど、国の定める基準を満たしているため、軽自動車として登録されています。
軽自動車とは、排気量が660cc以下で、車体のサイズが全長3.4m以下・全幅1.48m以下・全高2.0m以下という条件を満たす車のことです。タントはこれらの基準をすべて満たしており、見た目は大きく感じるかもしれませんが、あくまで軽自動車の範囲内に収まっています。
また、タントは「スーパーハイトワゴン」という軽自動車の中でも特に全高が高く、室内空間を広く確保したジャンルに属します。特に子育て世帯や高齢者にとって使いやすいとされており、スライドドアを備えるなど、日常の乗り降りや荷物の出し入れに便利な設計がされています。
ただし、見た目の大きさや装備の充実ぶりから「普通車では?」と誤解されることもあります。ナンバープレートが白になるケースもあり、外見だけでは判断が難しいと感じる方も少なくありません。
このように、タントはあくまで軽自動車の一種でありながら、普通車に近い使い勝手を実現したモデルと言えるでしょう。
ナンバープレートが白である理由

タントのナンバープレートが白い理由は、「図柄入りナンバープレート」や「ラグビーワールドカップ・オリンピック記念ナンバー」などを申し込んでいる場合があるからです。これらの特別仕様ナンバーを選ぶと、軽自動車であっても通常の黄色ナンバーではなく白いナンバープレートを装着できます。
そもそも、軽自動車のナンバープレートは原則として「黄色」です。一方で普通車は「白」のナンバーで登録されます。ただし、国が一定の期間に限定して発行する特別なナンバープレートは、軽自動車でも白地のデザインが選べるようになっています。これは記念事業や地域振興の一環として提供される制度であり、任意で申し込むことができます。
具体的には、例えば「2020年東京オリンピック・パラリンピック記念ナンバー」や「地方版図柄入りナンバープレート」が対象です。これに申し込むと、車両の種別(軽自動車かどうか)に関わらず、白地のナンバープレートが交付される仕組みです。寄付金の有無によって図柄の有無が変わる点も特徴です。
つまり、タントのナンバープレートが白いからといって、それが普通車であるとは限りません。見た目で判断してしまうと誤解のもとになるため、ナンバーの色だけでなく、車種や登録情報を確認することが大切です。
タントカスタムが普通車と誤解されるワケ

タントカスタムが普通車と誤解される大きな理由は、外観の高級感と車体のサイズ感が軽自動車らしく見えないためです。特にカスタムモデルは、標準モデルと比べて外装デザインや装備が強化されており、見た目が普通車に近づいています。
まず、フロントグリルやヘッドライトなどのデザインが非常にシャープで、メッキパーツも多く使われています。これにより、軽自動車らしい「簡素さ」や「コンパクト感」が薄れ、いわゆるコンパクトカーやミニバンと見間違えるような印象を与えやすくなっています。
さらに、ボディの全高が高く、タイヤのホイールサイズも標準より大きく見えるため、存在感が強くなります。街中で見ると、一般的な軽自動車より一回り大きく見えるため、知らない人からは「普通車では?」と思われても不思議ではありません。
また、前述の通り、白ナンバーを装着しているタントカスタムも多く存在します。このナンバーの色が「軽自動車らしさ」を薄める要因にもなっています。普通車は白ナンバーが基本であるため、そのイメージに引きずられる形で誤解が生じやすいのです。
とはいえ、タントカスタムも車検証上はしっかりと軽自動車に分類されており、排気量も660cc以下です。見た目の印象と実際の区分が異なることは、購入前にも知っておくべきポイントのひとつです。
5ナンバーである意味と分類

タントは、軽自動車の中でも「軽乗用車」に分類されている車種です。この分類の中で使われるのが「5ナンバー」という区分であり、これはあくまで軽自動車としての5ナンバーであって、普通車の5ナンバーとは別物です。
まず、「5ナンバー」という言葉は、本来は普通車のナンバー区分で使われる用語で、排気量2,000cc以下かつ、車幅や全長が一定のサイズ内である小型乗用車に該当する車に割り当てられます。一方で、軽自動車にも同じ「5」という分類番号が使われることがありますが、これはまったく別の仕組みに基づいています。
具体的には、軽自動車の場合、分類番号が「50〜59」や「580〜599」となっているものが、乗用目的の軽自動車です。タントのような軽乗用車は、この中に含まれており、「580」などの分類番号が割り当てられている場合が多いです。
ここで誤解を生みやすいのが、軽自動車でも「白ナンバー」が選べるようになってきた点です。特別仕様の図柄入りナンバーを申し込むことで、軽自動車であっても白地のナンバープレートが交付されるため、外見だけ見ると「これは普通車?」と勘違いされることがあります。
しかし、分類番号を正しく見れば、軽自動車と普通車の5ナンバーは明確に分かれています。普通車は最大で「579」までの番号である一方、軽自動車の5ナンバーは「580」番台以上です。このため、制度上、同じ「5ナンバー」といっても番号が重複することはなく、しっかりと区別されています。
つまり、タントが5ナンバーであるというのは、軽自動車の中で乗用車として登録されていることを示す分類です。普通車の5ナンバーと混同しないよう、分類番号の範囲とナンバープレートの見た目の両方に注意することが重要です。
軽自動車の白ナンバーは「やめてほしい」という声

軽自動車が白ナンバーになるのは、国が提供する「図柄入りナンバープレート制度」によって、軽自動車でも白地のプレートを選べるようになったためです。これは一部の記念イベントや地域振興を目的とした取り組みで、特別に用意されたナンバープレートを申し込むと、軽自動車であっても白いプレートが交付される仕組みです。
例えば、過去には「東京オリンピック・パラリンピック」や「ラグビーワールドカップ」の記念ナンバー、あるいは「地方版図柄入りナンバー」などが提供されてきました。これらは、寄付金付きであればフルカラー、寄付なしであればモノトーンのデザインで交付され、どちらも背景が白であるため、見た目が普通車とほとんど変わりません。
しかし、この制度に対しては「やめてほしい」という声も一部で上がっています。最大の理由は、白ナンバーが軽自動車と普通車の見分けを難しくしてしまうことです。これまでは「黄色=軽」「白=普通車」といった分かりやすい区別があったため、保険や駐車場の管理、交通違反の確認などにおいても視認性が高いという利点がありました。
一方で、白ナンバーを付けた軽自動車は、外見的には普通車と区別がつきにくくなるため、あえてそれを利用して“見た目の格上げ”を狙うケースもあります。このような背景から、「軽自動車は黄色ナンバーであるべき」とする意見が一定数存在するのです。
また、運送業者や自治体関係者などの間でも、視認性の低下による業務上の混乱を指摘する声があります。ナンバープレートは単なるデザインではなく、車両の種類や用途を一目で伝える役割を持っているため、安易なデザイン変更がその本質を揺るがすと懸念する意見もあります。
このように、軽自動車の白ナンバーには制度的な理由がありますが、その一方で社会的には賛否が分かれているのが実情です。見た目の選択肢が広がることはメリットですが、識別性の低下による弊害も無視できないポイントと言えるでしょう。
普通車と軽自動車の見分け方は?

普通車と軽自動車は、見た目が似ていても明確に区別できるポイントがいくつかあります。外観やナンバープレート、そして車検証の情報をチェックすれば、初心者でも見分けることが可能です。
まず、もっともわかりやすいのがナンバープレートの色です。軽自動車は「黄色地に黒文字」が基本で、普通車は「白地に緑文字(自家用)」「緑地に白文字(営業用)」です。ただし、軽自動車でも図柄入りナンバーなどを申し込むと白地になる場合があるため、色だけでは見分けが難しいケースもあります。
そこで注目したいのがナンバープレートの分類番号(上部の3桁の数字)です。
- 普通車(小型乗用車)の番号は「500〜579」
- 軽自動車(乗用)の番号は「580〜599」
この番号は車の登録区分を示しており、重複することはありません。また、ナンバープレート上のひらがなの位置にも違いがあります。普通車は分類番号の右にひらがなが表示されますが、軽自動車は分類番号の下にひらがなが配置されます。
さらに、車体サイズを見るのも有効です。軽自動車の基準は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、排気量660cc以下となっており、これを超える車はすべて普通車に分類されます。街中で見かけるコンパクトな車でも、幅や排気量が大きければ普通車ということになります。
最終的に確実な確認方法は、車検証をチェックすることです。車検証には「自動車の種別」欄があり、そこに「軽自動車」または「普通自動車」と明記されています。
このように、普通車と軽自動車の違いはナンバーやサイズ、書類上の情報を確認することでしっかりと見分けられます。見た目だけでは判断しにくいこともありますが、ポイントを押さえておけば、誤解することは少なくなるでしょう。
タントと主な車種のスペック

タントなど、主な車種のスペックを以下の表にまとめています。
車名 | グレード | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 | 定員 | 燃費(WLTC) | サイズ(全長×全幅×全高 mm) | タイヤサイズ | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイハツ タント | X | 6BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.2km/L | 3,395×1,475×1,755 | 155/65R14 | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントカスタム | RS | 5BA-LA660S | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約20.0km/L | 3,395×1,475×1,755 | 165/55R15 | DAIHATSU公式 |
ダイハツ タントファンクロス | ファンクロス | 5BA-LA650S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約20.2km/L | 3,395×1,475×1,780 | 165/60R15 | DAIHATSU公式 |
スバル シフォン | カスタムRS | 5BA-LA660F | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.2km/L | 3,395×1,475×1,755 | 155/65R14* | SUBARU公式 |
ホンダ N‑BOX | G | 6BA-JF3 | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 約21.6km/L | 3,395×1,475×1,790 | 145/80R13 | HONDA公式 |
スズキ スペーシア | HYBRID G | MK53S | 660cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 25.1km/L | 3,395×1,475×1,780 | 155/65R14 | SUZUKI公式 |
ダイハツ タフト | Gターボ | 6AA-LA900S | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | 2WD/4WD | 4 | 21.3km/L | 3,395×1,475×1,630 | 165/65R15 | DAIHATSU公式 |
トヨタ ルーミー | X S | 5BA-M900A | 1,000cc | 5 | CVT | 2WD | 5 | 18.4km/L | 3,700×1,670×1,735 | 165/65R14 | TOYOTA公式 |
スズキ ソリオ | バンディット MV | MA37S | 1,242cc | 5 | CVT | 2WD/4WD | 5 | 19.6km/L | 3,710×1,625×1,740 | 165/65R15 | SUZUKI公式 |
タントが軽自動車じゃないと感じる人への解説

- タントのメリットと普通車との違いとは?
- 同じ車だと勘違いされやすい車種
- 似た普通車と外観を比較
- タントとN-BOXはどっちがいいのか
- N-BOX・スペーシアとの比較ポイント
- タフトの比較で見える違い
タントのメリットと普通車との違いとは?

タントには、軽自動車ならではの経済性と使いやすさが集約されている点が大きなメリットとして挙げられます。一方で、普通車との違いもいくつかあり、用途やライフスタイルによって向き不向きが分かれる車種です。
まず、タントの最大の強みは維持費の安さです。軽自動車は税金や保険料、高速道路料金が普通車よりも低く抑えられており、日常的に車を使う人にとって負担が軽く済みます。特に自動車税は、普通車が年間約30,000円に対して、タントを含む軽自動車は一律10,800円(自家用)と、かなり差があります。
次に注目すべきは、コンパクトでありながら室内空間が広い点です。タントは「スーパーハイト系」と呼ばれるタイプで、天井が高く、スライドドアも付いているため、子育て世帯や高齢者にも非常に使いやすく設計されています。軽自動車ながらもファミリーカーとしての機能性を持ち合わせているのが特長です。
一方、普通車と比べた際には、動力性能や積載力に限界がある点は注意が必要です。高速道路での加速力や長距離移動時の安定性などは、どうしても普通車のほうが優れています。また、定員やトランクスペースの面でも、荷物を多く積みたい場合には物足りなさを感じるかもしれません。
ただし、街中での取り回しの良さや、狭い道でもスイスイ走れる軽さは、タントならではの魅力です。車幅がコンパクトであることから、駐車もしやすく、住宅街や買い物など日常のシーンに強い味方となります。
このように、タントは軽自動車の経済性と実用性を兼ね備えた一台です。普通車との違いを理解し、自分の使い方に合っているかを見極めることが、後悔しない選び方につながります。
同じ車だと勘違いされやすい車種

スバルのシフォンは、ダイハツ・タントのOEMモデルであり、見た目も中身も非常によく似ています。そのため、街中で見かけた際に「タントと同じ車?」と混同されやすい代表的な車種といえるでしょう。
OEM車というのは、他メーカーが製造した車を別ブランドとして販売する仕組みで、シフォンはまさにタントをベースとしたモデルです。製造元はダイハツであり、エンジンや車体構造、主要装備はタントと共通しています。違いといえば、前後のエンブレムやグレード展開、一部の標準装備に留まる程度で、基本的なスペックや使い勝手はほぼ同一です。
例えば、両車ともにスーパーハイト系軽自動車で、大開口の「ミラクルオープンドア」やスライドドア、広い室内空間を備えていることが共通の特徴です。これらのポイントが視覚的にも機能的にも似ているため、パッと見ただけでは識別が難しい場面も多くあります。
さらに、シフォンの現行モデル(2代目)は2019年に登場し、2022年のマイナーチェンジでは電動パーキングブレーキや先進安全装備の強化が図られました。これらの改良内容も、ほとんどがタントと同じタイミング・仕様で行われています。
違いがあるとすれば、グレードごとの細かな装備やカラーラインナップです。例えば、運転席ロングスライドシートは、シフォンでは一部グレードに標準装備されていますが、タントではオプション扱いになるなど、細部に違いが出ています。
このように、スバルのシフォンは見た目も中身もタントに酷似しているため、「タントと同じ車?」と誤解されやすい代表的な存在です。エンブレム以外の違いを見つけるのは難しいため、車に詳しくない方ほど混同しやすいモデルと言えるでしょう。シフォンはスバルブランドで購入できる安心感と、スバルのディーラーサービスを受けられる点も、検討材料になります。
似た普通車と外観を比較

タントに似た普通車として代表的なのは、トヨタのルーミーやスズキのソリオなどの小型トールワゴンです。これらの車種は外観や使い勝手がタントに近いため、軽自動車か普通車かで迷っている人にとって比較対象になりやすい存在です。
まず、トヨタのルーミーはタントと同じようにスライドドアを備えたコンパクトなボディが特長です。全長は約3.7m〜4.0mとタントより少し大きく、5人乗りで荷室も広め。エンジン排気量は1000ccで、高速走行や坂道でも余裕のある走りが期待できます。見た目の印象もタントと似ており、街乗り重視の人には十分選択肢となる普通車です。
続いてスズキのソリオも、タントと比較されることが多い一台です。こちらも両側スライドドアを備え、室内空間の広さが際立ちます。ハイブリッドモデルの設定があり、燃費性能に優れている点も魅力のひとつです。コンパクトながら普通車ならではの走行安定性や静粛性があり、長距離運転の快適さではタントより上回る場面もあります。
ただし、普通車である以上、維持費や税金は軽自動車のタントより高くなる点は理解しておきましょう。例えば、自動車税は軽が年額10,800円であるのに対し、普通車(1000ccクラス)は約25,000円前後かかります。
さらに、車体サイズが大きくなるため、狭い道や駐車場での取り回しはタントのほうが優れています。都市部での使い勝手を重視するなら、軽自動車の利便性は大きな魅力となるでしょう。
このように、タントと似た普通車は複数存在しますが、選ぶ際は走行性能、維持費、使い勝手のバランスをどう取るかが重要です。予算や利用シーンに合わせて、どちらが自分に合っているかを見極めましょう。
タントとN-BOXはどっちがいいのか

タントとN-BOXは、どちらもスーパーハイト系軽自動車の代表格として知られています。見た目やサイズが似ていることから、「どっちがいいのか」と悩む方も多いでしょう。結論から言えば、重視するポイントによって向いている車が変わります。
まず、使い勝手の工夫を求めるならタントが適しています。タントは助手席側にピラー(柱)がない「ミラクルオープンドア」を採用しており、大きく開く開口部によって乗り降りや荷物の積み下ろしが非常にスムーズです。小さな子どもがいる家庭や介護目的などでも便利に使える設計となっています。また、2022年にはアウトドア志向の「ファンクロス」も追加され、より幅広い層に対応できる車種へと進化しました。
一方、質感の高さや走行性能で選ぶならN-BOXが優勢です。N-BOXは内装の仕上がりや静粛性に優れ、全体的に上質な印象があります。走りの面でも、ターボエンジン搭載グレードでは登坂や高速道路でも余裕のある加速を実現しています。さらに、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」により、後席足元の広さや荷室のアレンジ性が高く、実用面でも完成度が高いです。
装備面でも違いがあります。例えば、N-BOXは運転席と助手席の間をウォークスルーできる広いフロアがあり、前席の移動がしやすいのが特長です。タントにも似た構造はありますが、N-BOXのほうが室内空間の「使い方」に重点を置いている印象です。
価格帯はほぼ同じですが、リセールバリュー(売却時の価値)ではN-BOXがやや有利です。販売台数でも常に上位を維持しており、中古市場での人気も高いためです。
このように、タントは「利便性重視」、N-BOXは「快適性と品質重視」といった違いがあります。普段の使い方を考えて、どちらの特長がライフスタイルに合っているかを基準に選ぶと、納得のいく1台に出会えるでしょう。
N-BOX・スペーシアとの比較ポイント

タント、N-BOX、スペーシアは、いずれもスーパーハイトワゴン系の軽自動車で、ファミリー層を中心に高い人気を誇っています。ただ、デザインや装備、使い勝手には明確な違いがあるため、それぞれの特長を理解して選ぶことが大切です。
まず「使いやすさ」で選ぶならタントが優位です。助手席側にピラー(柱)がない「ミラクルオープンドア」は、他車にない独自装備で、開口部が広く、子どもを抱いたままの乗り降りや大きな荷物の出し入れがしやすくなっています。助手席や運転席が大きくスライドするため、車内での移動もスムーズです。
次に「室内の快適性と仕上がりの良さ」を重視するならN-BOXが魅力的です。ホンダならではの上質な内装と静粛性があり、ターボモデルを選べば加速性能も余裕があります。また、センタータンクレイアウトによって後席足元のスペースが広く、車内の移動や荷物の置き場に困りません。
そして「燃費性能と収納の工夫」を求めるならスペーシアが候補になります。スペーシアは全体的に軽量化されており、WLTCモード燃費で25km/L超えを記録するグレードも存在します。加えて、助手席下の収納ボックスや後席のアレンジ機能など、日常で便利な細かい工夫が多数盛り込まれています。
また、安全装備については3車種ともに最新の予防安全技術(衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制など)を搭載していますが、グレードによって標準・オプションの差があるため、購入前に確認が必要です。
タフトの比較で見える違い

タントとタフトは、どちらもダイハツが販売する軽自動車ですが、車のコンセプトや使い方に大きな違いがあります。同じメーカーの軽で迷っている方にとっては、それぞれの特徴をしっかり理解することが重要です。
まず、タントは「室内空間と乗り降りのしやすさ」を重視したスーパーハイトワゴンです。車高が高く、特に助手席側の「ミラクルオープンドア」によって、開口部が広くなる仕組みが特徴的です。チャイルドシートの乗せ降ろしや大きな荷物の積み下ろしがしやすく、ファミリー層に向けた設計がされています。また、運転席のスライド幅も広く、車内の移動がしやすいのも魅力です。
一方で、タフトは「アウトドアや個人ユース」に適したSUV風の軽自動車です。ボディ形状はスクエアで無骨な印象があり、ルーフには「スカイフィールトップ」と呼ばれるガラスルーフを全車に標準装備しています。空の景色を楽しめる非日常感があり、ドライブやレジャーが好きな方にぴったりです。最低地上高もタントより高く、悪路にもある程度対応できます。
走行性能にも差があります。タントは快適な街乗りを想定して作られており、乗り心地はソフト。一方、タフトは足回りがやや硬めに設定されていて、しっかりとした走行感が感じられます。ただし、荷室容量や室内高ではタントが優れており、車内での居住性はタントに軍配が上がります。
デザインの面でも好みが分かれます。タントは丸みを帯びた親しみやすいデザインが多く、家族向けのイメージが強い一方、タフトは直線基調でアウトドアテイストが強く、個性的な存在感があります。どちらが自分のライフスタイルに合っているかを軸に選ぶことで、満足度の高いカーライフが実現できるでしょう。
タントが軽自動車じゃないと言われる理由を総まとめ
記事のポイントをまとめます。
- タントは排気量660ccで軽自動車に分類される
- スーパーハイトワゴンで室内空間が広く普通車に見えやすい
- 白ナンバーを装着すると外見が普通車に近づく
- タントカスタムはメッキパーツやデザインで高級感がある
- 軽自動車でも図柄入りナンバーで白色が選べる制度がある
- 軽の5ナンバーと普通車の5ナンバーは分類番号で異なる
- 軽の乗用車は分類番号「580〜599」で管理されている
- タントの装備や内装が充実していて普通車と誤認されやすい
- 見た目だけで車種を判断すると誤解につながる
- ナンバー色や分類番号で軽か普通かを見分けることができる
- シフォンはタントのOEMで見た目が非常に似ている
- ルーミーやソリオなど普通車に似たサイズ感の車も存在する
- 軽自動車の白ナンバー化に反対する声もある
- 視認性の低下が業務や管理面での混乱を招くと懸念されている
- 軽自動車の白ナンバーはあくまで記念や図柄目的の選択肢