スペーシアとNボックスはどっちがいい?スペックや違いを比較し解説

スペーシアとNボックスはどっちがいい?スペックや違いを比較し解説
SUZUKI公式

スペーシアNボックス、どっちがいいか真剣に悩んでいませんか。軽自動車の中でも絶大な人気を誇るこの2台は、2023年に相次いで新型モデルが登場し、比較検討している方も多いことでしょう。

どちらの車種を選ぶかによって、カーライフは大きく変わります。例えば、室内はどっちが広いのか、日々のガソリン代に直結する燃費性能、そして購入時の価格や値段。さらに、毎日の運転で重要になる乗り心地や、万が一の事態に備える安全性も譲れないポイントです。

しかし、良い点ばかり見ていては、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。この記事では、それぞれのモデルが持つデメリットや、人によってはダメなところと感じる部分も客観的に解説します。最終的に、どのような使い方をする人に各車種が向いている人なのかを明らかにしていきます。

記事のポイント

  • スペーシアとN-BOXの基本的なスペックと燃費性能の違い
  • 室内空間の広さや乗り心地、使い勝手の具体的な差
  • 購入前に知っておきたいデメリットや注意すべきポイント
  • それぞれの車種がどんなライフスタイルに向いているか

スペーシアとNボックスはどっちがいいかを徹底比較

スペーシアとNボックスはどっちがいいか徹底比較
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  • 新型スペーシア vs 新型Nボックスの進化点
  • まずは基本のスペックを比較
  • どっちが広いか検証
  • 燃費性能の違いを解説
  • 乗り心地をデータで比較
  • 安全性で選ぶなら?

新型スペーシア vs 新型Nボックスの進化点

新型スペーシア vs 新型Nボックスの進化点
軽自動車ナビ・イメージ

2023年は、軽スーパーハイトワゴン市場にとって大きな転換点となりました。長年の王者であるホンダ N-BOXが10月に、そして強力なライバルであるスズキ スペーシアが11月に、相次いで新型へとフルモデルチェンジを果たしたからです。

N-BOXは、定評のあった広い室内空間や使い勝手はそのままに、内外装のデザインをより洗練させました。特に運転席からの視界が大幅に改善され、運転のしやすさが向上しています。また、静粛性や走行安定性といった、クルマの基本性能をさらに磨き上げた点が大きな特徴です。

一方のスペーシアは、スズキ独自の「マイルドハイブリッド」をさらに進化させ、軽ハイトワゴンNo.1の低燃費を実現しました。加えて、後席に新搭載された「マルチユースフラップ」は、乗員の快適性を劇的に向上させる画期的な装備です。安全性においても、検知範囲が広がった新しい衝突被害軽減ブレーキを搭載するなど、全方位で進化を遂げています。

このように、両車はそれぞれの強みをさらに伸ばす方向で進化しており、ライバル関係は新たなステージへと進んでいます。

まずは基本のスペックを比較

スペーシア まずは基本のスペックを比較
軽自動車ナビ・イメージ

どちらの車を選ぶか考える上で、まずは基本的なスペックを把握することが大切です。ここでは、両車のボディサイズとエンジン性能を比較します。

スペックホンダ N-BOXスズキ スペーシア
全長3,395mm3,395mm
全幅1,475mm1,475mm
全高1,790mm (FF)1,785mm
NAエンジン最高出力58PS/7,300rpm49PS/6,500rpm
ターボエンジン最高出力64PS/6,000rpm64PS/6,000rpm

ボディサイズは、軽自動車の規格内で最大限のスペースを確保しているため、全長と全幅は全く同じです。全高もわずか5mmの差で、ほとんど違いはありません。

一方で、エンジン性能には違いが見られます。ターボを搭載しないNA(自然吸気)エンジンでは、N-BOXの方が出力で上回っています。これは、坂道や高速道路での加速性能に影響を与える可能性があります。ターボエンジンはどちらも軽自動車の自主規制値いっぱいの64馬力ですが、発生するトルクや回転数に若干の違いがあります。

どっちが広いか検証

スペーシア どっちが広いか検証
軽自動車ナビ・イメージ

軽スーパーハイトワゴンを選ぶ上で、室内空間の広さは最も重要な要素の一つです。数値上のスペックと、実際の使い勝手にはどのような違いがあるのでしょうか。

室内寸法ホンダ N-BOXスズキ スペーシア
室内長2,125mm2,170mm
室内幅1,350mm1,345mm
室内高1,400mm1,415mm

室内寸法の数値を見ると、室内長と室内高はスペーシアが、室内幅はN-BOXがわずかに上回っており、ほぼ互角と言えます。どちらも大人4人が乗っても十分な広さを確保しており、軽自動車とは思えないほどの開放感があります。

しかし、使い勝手にはそれぞれの思想が反映されています。N-BOXは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトにより、荷室の床が非常に低く設計されています。これにより、重い荷物や背の高い荷物の積み下ろしが非常に楽に行えます。後席を格納した際の荷室の奥行きも広く、積載量を重視する方には大きなメリットです。

対してスペーシアは、後席の快適性に注力しています。特に「マルチユースフラップ」は、足を伸ばしてくつろげるオットマンとして使えるほか、座面に置いた荷物の落下を防ぐストッパーにもなり、多彩な使い方が可能です。

燃費性能の違いを解説

スペーシア 燃費性能の違いを解説
軽自動車ナビ・イメージ

日々の維持費に直接関わる燃費性能は、車選びの重要な判断基準となります。この点においては、両車に明確な差が見られます。

燃費 (WLTCモード)ホンダ N-BOXスズキ スペーシア
NAエンジン (FF)21.6 km/L25.1 km/L
ターボエンジン (FF)20.3 km/L21.9 km/L

上記の表からも分かる通り、燃費性能では全てのグレードでスペーシアがN-BOXを上回っています。これは、減速時のエネルギーで発電し、加速時にモーターでエンジンをアシストする「マイルドハイブリッドシステム」を全車に搭載しているためです。

特にNAエンジンの燃費差は大きく、少しでもガソリン代を節約したいと考えている方にとって、スペーシアの燃費性能は非常に魅力的です。N-BOXも決して燃費が悪いわけではありませんが、純粋なガソリンエンジン車であるため、ハイブリッドシステムを搭載するスペーシアには及ばないのが現状です。

乗り心地をデータで比較

スペーシア 乗り心地をデータで比較
軽自動車ナビ・イメージ

毎日乗る車だからこそ、乗り心地は快適なカーライフを送るための大切な要素です。両車は、同じ軽スーパーハイトワゴンでありながら、乗り味には異なる特徴があります。

N-BOXは、しっかりとした剛性感のあるボディと、適切に設定されたサスペンションにより、どっしりとした安定感のある乗り心地を提供します。軽自動車にありがちなフラフラとした感覚が少なく、特に高速道路での直進安定性は高く評価されています。路面の凹凸はややダイレクトに伝わるものの、不快な突き上げ感はうまく抑えられており、長距離の移動でも疲れにくいと考えられます。

一方のスペーシアは、比較的柔らかめの乗り心地が特徴です。街中での走行では、細かな路面の凹凸をしなやかに吸収し、快適な移動空間を実現します。ステアリング操作に対する反応も軽快で、市街地の狭い道や交差点でもキビキビと走ることができます。ただし、車高の高さも相まって、速度域が上がるとN-BOXに比べてやや横風の影響を受けやすいと感じる場面があるかもしれません。

どちらが良いというわけではなく、安定感を重視するならN-BOX、街中での軽快さや快適性を重視するならスペーシア、というように好みが分かれるポイントです。

安全性で選ぶなら?

スペーシア 安全性で選ぶなら?
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近年、自動車の安全性は飛躍的に向上しており、軽自動車も例外ではありません。N-BOXとスペーシアは、どちらも国の安全性能評価で高い評価を得ていますが、搭載されている先進安全運転支援システムには違いがあります。

N-BOXには、ホンダの「Honda SENSING」が全車に標準装備されています。衝突被害軽減ブレーキはもちろんのこと、高速道路での運転を支援する「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や、車線の中央を維持するようにステアリング操作を支援する「車線維持支援システム(LKAS)」などが含まれます。

一方、スペーシアにはスズキの「スズキセーフティサポート」が搭載されています。新型ではカメラとレーダーの性能が向上し、自転車や自動二輪車の検知も可能になりました。ACCも搭載されていますが、LKASはN-BOXとは異なり、低速域でも作動するのが特徴です。

機能の数や充実度という点では、N-BOXの「Honda SENSING」がわずかにリードしている印象があります。特に高速道路を頻繁に利用し、運転支援機能を重視する方にとっては、N-BOXの装備が魅力的に映るかもしれません。しかし、スペーシアの安全性能も非常に高く、日常的な利用シーンで不安を感じることはないでしょう。

 スペーシアとNボックスはどっちがいいかを購入視点で分析

スペーシアとNボックスはどっちがいいか購入視点で分析
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  • 値段と価値の考察
  • 知っておきたいN-BOXのダメなところ
  • 見逃せないスペーシアのデメリットとは
  • スペーシアはなぜ人気があるのか?強みを解説
  • スペーシアが向いている人の特徴とは
  • スペーシアとNボックスはどっちがいいかについてを総括 

値段と価値の考察

スペーシア 値段と価値の考察
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車の購入を検討する上で、価格は最も重要な要素の一つです。ここでは、両車の価格と、価格に見合った価値について考察します。

車両本体価格

  • スズキ スペーシア: 約155万円 ~ 約220万円
  • ホンダ N-BOX: 約175万円 ~ 約235万円

単純な価格比較では、スペーシアの方が約10万円安く設定されており、購入時の初期費用を抑えたい方には有利です。

価値の比較

しかし、価格だけで判断するのは早計です。N-BOXは、スペーシアよりも高価な分、前述の通り「Honda SENSING」が全車標準装備であることや、乗り心地や静粛性といった走行の質感に関わる部分でコストがかけられていると考えられます。

また、リセールバリュー(再販価値)も重要な視点です。一般的に、N-BOXは中古車市場で非常に高い人気を維持しており、数年後に車を売却する際の査定額が高くなる傾向にあります。長期的なトータルコストを考えると、購入時の価格差が縮まる可能性も十分にあります。

したがって、初期費用を重視するならスペーシア、運転支援機能の充実度や長期的な資産価値を考慮するならN-BOX、という見方ができます。

知っておきたいN-BOXのダメなところ

スペーシア 知っておきたいN-BOXのダメなところ
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絶大な人気を誇るN-BOXですが、購入前に知っておくべき注意点も存在します。

一つ目は、価格設定です。軽自動車としては比較的高価であり、上位グレードにオプションを追加すると、コンパクトカーが購入できる価格帯になることも珍しくありません。

二つ目は、新型へのモデルチェンジに伴う一部装備の変更点です。例えば、先代モデルの一部グレードに標準装備されていたLEDフォグランプや、カスタム系の本革巻きシフトノブなどが廃止・変更され、質感の低下を指摘する声があります。また、メーターが一般的なインホイールメーターに変更されたことで、視線移動量が増えた点をデメリットと感じるユーザーもいるようです。

三つ目は、燃費性能です。前述の通り、マイルドハイブリッドを搭載するライバル車と比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。走行距離が多い方にとっては、ランニングコストの差が気になるかもしれません。

見逃せないスペーシアのデメリットとは

見逃せないスペーシアのデメリットとは
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コストパフォーマンスに優れるスペーシアにも、いくつか考慮すべき点があります。

最も大きな点は、NA(自然吸気)エンジンの動力性能です。特に坂道や高速道路での合流など、パワーが必要な場面では、N-BOXと比較して非力さを感じる可能性があります。家族で乗ったり、荷物をたくさん積んだりする機会が多い方は、ターボモデルの試乗も検討することをおすすめします。

また、内外装の質感についても、N-BOXと比較するとプラスチックの質感が目立ち、ややシンプルで安っぽさを感じるという意見があります。スーツケースをモチーフにした遊び心のあるデザインは魅力的ですが、上質さや高級感を求める方には物足りないかもしれません。

さらに、走行安定性に関して、車高が高いスーパーハイトワゴン特有の弱点として、高速走行時や横風が強い場面で、ふらつきを感じやすいという指摘もあります。

スペーシアはなぜ人気があるのか?強みを解説

スペーシア なぜ人気があるのか?強みを解説
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スペーシアがN-BOXの強力なライバルとして人気を集めているのには、明確な理由があります。

最大の強みは、やはり「マイルドハイブリッド」による優れた燃費性能です。ガソリン価格が高騰する中で、日々の維持費を抑えられる点は大きな魅力となっています。

次に、利用者のことを考え抜いた独自の装備が挙げられます。後席の快適性を飛躍的に高める「マルチユースフラップ」や、室内の空気を効率よく循環させる「スリムサーキュレーター」、冬場に嬉しい「ステアリングヒーター」など、N-BOXにはない便利な機能が多数設定されています。

加えて、豊富な収納スペースも人気の理由です。特に助手席の座面下に設けられた収納ボックスは、見せたくない荷物をさっと隠すことができ、非常に便利です。このような細やかな配慮が、多くのユーザーの心を掴んでいます。

スペーシアが向いている人の特徴とは

スペーシアが向いている人の特徴とは
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これまでの比較を踏まえると、スペーシアは特に次のような方に適していると考えられます。

まず、日々の維持費、特にガソリン代を少しでも節約したい方です。優れた燃費性能は、毎日の通勤やお買い物で車を使う方にとって、大きなメリットとなります。

次に、後席にお子様や家族を乗せる機会が多い方です。快適な後席空間を作り出す「マルチユースフラップ」や「スリムサーキュレーター」は、同乗者の満足度を高めてくれるでしょう。

また、街中での運転がメインで、キビキビとした軽快な走りを好む方にも向いています。多彩な収納や便利な機能を活用し、車を「便利な道具」として賢く使いたい、というニーズにスペーシアは応えてくれます。

スペーシアとNボックスはどっちがいいかについてを総括 

記事のポイントをまとめます。

  • スペーシアとN-BOXは軽スーパーハイトワゴンの人気を二分するライバル
  • 販売台数ではN-BOXがリードするもスペーシアが猛追している
  • ボディサイズや室内空間の広さはほぼ互角
  • 燃費性能はマイルドハイブリッドを搭載するスペーシアが優位
  • NAエンジンの動力性能はN-BOXに分がある
  • 乗り心地は安定感のN-BOX、軽快さのスペーシアと特徴が異なる
  • 荷室の積載性や使いやすさは床の低いN-BOXが有利
  • 後席の快適装備やユニークな収納はスペーシアが充実
  • 先進安全装備の機能数ではN-BOXのHonda SENSINGがややリード
  • 車両本体価格はスペーシアの方が安価な傾向
  • リセールバリューは一般的にN-BOXの方が高いとされる
  • デメリットとしてN-BOXは価格の高さ、スペーシアはNA車のパワー不足が挙げられる
  • 長距離運転や走りの質を重視するならN-BOXが向いている
  • 燃費や維持費、街中での使い勝手を重視するならスペーシアが向いている
  • 最終的な選択は自身のライフスタイルや価値観で判断することが大切