
日産ルークスのフルフラット化に関心をお持ちでしょうか。特に新型モデルが登場してから、その多彩なシートアレンジについて「もっと詳しく知りたい」と感じている方も多いかもしれません。
この記事では、ルークスのフルフラットのやり方について、後部座席のたたみ方から助手席の倒し方まで、基本的な手順を丁寧に解説します。また、リクライニングを最大限に活用しても完全なフラットにならない場合の対策として、専用キットの使用やDIYによる改造のヒントも紹介します。
さらに、フルフラット化した際の室内の長さ、旧型のデイズルークスとの違い、そして車中泊ブログなどで見られるような快適な空間作りのアイデアまで、幅広く網羅しています。
基本的なルークスのフルフラットのやり方

- ルークスはフルフラットにできますか?
- フラットにするにはどうしたらいいですか?
- 後部座席のたたみ方
- 助手席の倒し方
- フルフラットの長さは?
- シートアレンジと後部座席リクライニング
- ルークスの主なスペックを紹介
ルークスはフルフラットにできますか?

日産ルークスは、公式のシートアレンジ機能を使ってフルフラットに近い状態を作り出すことが可能です。ただし、「完全に平らな平面になるか」という点については、モデルによって特性が異なります。
2020年3月以降に販売されている現行モデル(B40A系)の場合、前席の背もたれを倒して後部座席と連結させると、接合部分に比較的大きな段差が生じてしまいます。これは、座り心地を重視したシートの厚みなどが影響していると考えられます。
一方で、2014年から2020年まで販売されていた旧型モデル「デイズルークス」(B21A型)は、現行モデルに比べて段差が少なく、よりフラットな空間を作りやすいという特徴があります。
このように、ルークスでフルフラット空間を作ることはできますが、快適に利用するためには、特に現行モデルにおいて段差を解消する工夫が必要になると言えます。
フラットにするにはどうしたらいいですか?

ルークスをフラットな状態にするには、基本的なシート操作に加えて、生じてしまう段差を解消するための工夫が鍵となります。そのままの状態では凹凸が大きく、特に車中泊などで長時間横になるには寝心地が悪く、体を痛めてしまう可能性があります。
段差を解消する具体的な方法としては、主に3つのアプローチが考えられます。
一つ目は、厚みのあるマットを使用する方法です。市販の車中泊用マットや厚手のキャンプマット、インフレータブルマットなどを敷くことで、シートの凹凸を吸収し、快適な就寝スペースを作り出せます。
二つ目は、専用のベッドキットを導入することです。車種専用に設計された製品が多く、設置するだけで完全にフラットな床面を確保できます。床下に収納スペースが生まれるタイプもあり、利便性が高いのがメリットです。
三つ目は、DIYでベッドを自作する方法です。板(コンパネ)などを使って自作のベッドを組むことで、費用を抑えつつ自分好みの空間を作り上げることが可能です。
後部座席のたたみ方

ルークスの後部座席のたたみ方は、現行モデルと旧型デイズルークスで機構が大きく異なります。それぞれの特徴と手順を理解しておくことが大切です。
現行ルークス(B40A系)の格納方法
現行モデルの後部座席は、背もたれを前に倒すだけのシンプルな構造です。シート肩口にあるレバーを引くことで、ワンアクションで背もたれを倒し、荷室を拡大できます。この操作は荷室側からも行えるため、大きな荷物を積む際に非常に便利です。ただし、この方法では座面はそのままなので、荷室の床面は完全にフラットにはなりません。
旧型デイズルークス(B21A型)の格納方法
旧型デイズルークスは、後部座席を床下に収納する「ダイブダウン方式」が採用されています。この操作には少しコツが必要です。
- まず、後部座席全体を一番後ろまでスライドさせてロックします。一番後ろの位置でないと格納できない構造になっています。
- 次に、背もたれを完全に前に倒します。
- 背もたれ裏側にあるストラップ(紐)を引きながら、シート全体を持ち上げると、座面が前方に回転し、足元のスペースにすっぽりと収まります。
この方法により、荷室から後部座席にかけて段差の少ないフラットな空間を作り出すことができ、大きな荷物の積載に優れています。
助手席の倒し方

ルークスのフルフラットアレンジにおいて、助手席を倒す操作は室内空間の長さを最大限に確保するために不可欠です。
操作手順は非常にシンプルで、まず助手席のヘッドレストを取り外します。その後、シート横にあるリクライニングレバーを操作して、背もたれを後方へ水平になるまで倒します。このとき、後部座席との干渉を避けるため、あらかじめ助手席を少し前方にスライドさせておくとスムーズに操作できます。
また、現行ルークスには、運転席に座ったままでも助手席を操作しやすいように、助手席シートの右肩口にリクライニングレバーが装備されています。これは、運転席から後部座席に座る子どものケアをする際などに、素早くスペースを作り出せる便利な機能です。
この操作により、助手席の背もたれが後部座席の座面と連結し、足を伸ばしてくつろげる広大なスペースを生み出すことが可能になります。
フルフラットの長さは?

ルークスをフルフラットにした際の室内長は、軽自動車の中でもトップクラスの広さを確保できますが、その具体的な長さはモデルによって異なります。
モデル | 最大室内長(参考値) | 特徴 |
現行ルークス (B40A系) | 約2,010mm | 前席と後席の連結部に段差が生じるため、有効長はこれより短くなる傾向があります。 |
旧型デイズルークス (B21A型) | 約2,235mm | 現行モデルより長く、段差も比較的小さいため、より広々とした空間を確保しやすいです。 |
表の通り、理論上の最大長では旧型デイズルークスの方が長くなっています。ただし、これはあくまでシートを連結させた際の最長部分の寸法です。
実際には、前述の通り、特に現行モデルではシート間に山なりの段差ができてしまうため、快適に横になれる有効なスペースは数値よりも短く感じられる場合があります。このため、身長が高い方が利用する際は、マットなどで段差をいかに平らにするかが、有効長を最大限に活用する上で重要になります。
シートアレンジと後部座席リクライニング

ルークスはフルフラット以外にも、乗車人数や荷物の大きさ、利用シーンに合わせて柔軟に対応できる多彩なシートアレンジを備えています。
例えば、後部座席を一番前にスライドさせれば、乗員スペースを確保しつつ広大な荷室を作り出せます。また、左右分割でシートを倒せるため、3人乗車しながら釣り竿やスノーボードのような長尺物を積むことも可能です。
さらに、後部座席の快適性を高める機能として、リクライニング機能が挙げられます。現行ルークスの後部座席は、最大で8段階もの角度調整が可能です。これにより、乗る人の体格や好みに合わせて最適な姿勢を取ることができ、長時間のドライブでも疲れにくくなっています。
ただ、後部座席の座り心地については、ホールド感が少なく座面が硬めであるという評価もあります。一方で、前席には「ゼログラビティシート」が採用されており、こちらは長距離運転でも疲れにくいと高い評価を得ています。
ルークスの主なスペックを紹介

現行ルークスの主なスペックを紹介を以下の表にまとめています。
グレード | 型式 | 新車価格(税込) | 駆動方式 | トランスミッション | 全長×全幅×全高(mm) | 室内寸法(mm) | 車両重量(kg) | 排気量(cc) | 最高出力(PS) | 最大トルク(kg・m) | 燃費(WLTCモード) | 最小回転半径 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ルークス X | 5BA-BB1A | 1,739,100円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,785 | 2,135×1,335×1,400 | 960 | 659 | 52 | 6.1 | 21.0km/L | 4.5m |
ルークス X | 5BA-BB5A | 1,889,800円 | 4WD | CVT | 3,395×1,475×1,805 | 2,135×1,335×1,400 | 1010 | 659 | 52 | 6.1 | 18.8km/L | 4.8m |
ハイウェイスター X | 5BA-BB1A | 1,919,500円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,785 | 2,135×1,335×1,400 | 960 | 659 | 52 | 6.1 | 21.0km/L | 4.8m |
ハイウェイスター Gターボ | 4BA-BB2A | 2,159,300円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,785 | 2,135×1,335×1,400 | 980 | 659 | 64 | 10.2 | 19.3km/L | 4.8m |
ハイウェイスター Gターボ | 4BA-BB6A | 2,273,700円 | 4WD | CVT | 3,395×1,475×1,805 | 2,135×1,335×1,400 | 1030 | 659 | 64 | 10.2 | 17.4km/L | 4.8m |
※ 日産公式サイトより引用
ルークスのフルフラットを活用した車中泊のやり方

- 新型ルークスのフルフラット化で快適な車中泊
- 参考になる車中泊ブログ
- 車中泊に便利なキット
- 就寝の質を上げるフルフラット改造
- デイズルークスのフルフラットと後部座席フラット
- ルークスのフルフラットのやり方について総括
新型ルークスのフルフラット化で快適な車中泊

新型ルークスでの車中泊は十分に可能ですが、快適な睡眠環境を整えるためには「段差対策」が必須の課題となります。
新型ルークスをフルフラットモードにすると、リクライニングさせた前席の背もたれと、倒した後部座席の背もたれが重なり合う部分に約7cmもの大きな段差が生まれます。さらに、この段差部分が頂点となり、全体が山なりの形状になってしまうのが特徴です。
この状態でそのまま横になると、体が不自然な角度になり熟睡は困難でしょう。競合車であるスズキのスペーシアが比較的フラットな空間を作れるのと比較すると、ここは新型ルークスの弱点と考えることができます。
したがって、新型ルークスで快適な車中泊を実現するには、この段差をいかにして埋めるかがポイントです。厚さ10cm程度の厚手マットを敷く、あるいは板などを使って平らな土台を作るDIYを施すといった工夫で、この問題を克服し、快適な就寝空間を作り出すことが可能になります。
参考になる車中泊ブログ

ルークスでの車中泊を計画する際、メーカーのカタログ情報だけでは得られない実践的なアイデアや工夫を知るために、オーナーのブログが非常に役立ちます。
多くのユーザーが、独自の工夫を凝らしてルークスを快適な車中泊仕様にしており、その記録をブログで公開しています。例えば、以下のような実例が見られます。
- 木製の自作ベッド: ホームセンターで手に入る板(コンパネ)や角材を使い、室内にジャストフィットするベッドを自作する例。床下に広大な収納スペースを確保できるメリットがあります。
- 収納の工夫: 天井部分に突っ張り棒やネットを取り付けて収納スペースを増設したり、シート下の隙間を有効活用したりするアイデア。
- プライバシー確保: 車種専用のサンシェードを購入するだけでなく、100円ショップのアルミシートなどを使って自作し、コストを抑えながら断熱性とプライバシーを確保する工夫。
これらの情報は、実際にルークスを使用しているからこそ分かるリアルな知恵の結晶です。これから車中泊を始める方は、こうしたブログを参考にすることで、失敗を減らし、より快適な車内空間を作り上げるヒントを得られるはずです。
車中泊に便利なキット

DIYに時間や手間をかけず、手軽に快適な車中泊環境を整えたい場合には、市販されている専用キットの活用が最も確実な方法です。
代表的なアイテムが「車種専用ベッドキット」です。これはルークスの室内形状に合わせて精密に設計されており、設置するだけで段差を完全に解消し、安定したフルフラットな寝床を作り出すことができます。多くは工具不要で簡単に組み立てられ、ベッドの下を大きな収納スペースとして活用できる点も大きなメリットです。価格帯は様々ですが、投資する価値のある便利なアイテムと言えます。
また、「車種専用サンシェード」もプライバシー確保と断熱に欠かせません。窓にぴったりフィットするため光漏れが少なく、外からの視線を完全に遮断できます。夏は日差しを、冬は冷気を遮る効果も高いため、車内温度の維持にも貢献し、一年を通して快適な車中泊をサポートしてくれます。
これらのキットを活用することで、誰でも簡単かつスマートにルークスを本格的な車中泊仕様にアップグレードすることが可能です。
就寝の質を上げるフルフラット改造

よりフラットな状態を追求するために、一部のユーザーはメーカーの想定を超えた「改造」を施すことがあります。その代表的な例が、リアシートのリクライニング角度を制限しているストッパーの加工です。
通常、ルークスの後部座席は一定の角度までしか倒れませんが、リクライニング機構のヒンジ部分にある金属製のストッパーを取り外したり、切断したりすることで、可動域を広げることができます。これにより、背もたれをさらに後ろへ倒し、フルフラットにした際の段差を緩和させるというアプローチです。
具体的な方法としては、ストッパーを固定しているリベットを電動ドリルで破壊する方法や、グラインダーでストッパー自体を切断する方法などがブログなどで紹介されています。
ただし、この改造はいくつかの重要な注意点を伴います。まず、車両の構造部品に手を加えるため、メーカーの保証対象外となる行為です。また、作業には専門的な工具と知識が必要であり、失敗するとシートの機能に支障をきたす恐れがあります。安全に関わる部分でもあるため、もし実施を検討する場合は、リスクを十分に理解した上で、完全に自己責任で行う必要があります。
デイズルークスのフルフラットと後部座席フラット

2020年まで販売されていた旧型「デイズルークス」は、現行モデルとは異なる特徴を持ち、特にフルフラット化のしやすさで評価されています。
デイズルークスでフルフラットの就寝スペースを作る場合、現行モデルと同様に前席を倒して後部座席と連結させます。この際、シート間の段差が現行モデルに比べて小さいため、比較的容易にフラットな空間を作りやすいのが大きなメリットです。厚手のマットを一枚敷くだけでも、十分に快適な寝床を確保できるという声が多く聞かれます。
また、荷室の使い勝手においても特徴があります。デイズルークスの後部座席は、背もたれを倒すだけでなく、座面ごと床下に格納する「ダイブダウン」が可能です。この機能を使うと、荷室から後部座席にかけて完全にフラットで広大なフロアが出現します。これは就寝スペースとして使うには長さが足りませんが、大きな自転車や家具などを積む際には非常に便利です。
このように、デイズルークスは「寝るためのフルフラット」と「積むためのフロアフラット」の両方で優れた使い勝手を持っており、今なお中古車市場で人気のある理由の一つとなっています。
ルークスのフルフラットのやり方について総括
記事のポイントをまとめます。
- ルークスは公式のシートアレンジでフルフラットに近い状態を作れる
- 現行モデル(B40A系)は前席と後席の連結部に大きな段差が生じる
- 旧型デイズルークス(B21A型)は比較的フラットにしやすい
- 段差解消には厚手のマットや専用ベッドキットの利用が効果的
- DIYで板を使い、フラットなベッドを自作するユーザーも多い
- 後部座席のたたみ方は現行型と旧型で機構が異なる
- 現行型は背もたれを倒すだけのシンプルな方式
- 旧型は座面ごと床下に格納するダイブダウン方式を採用
- 助手席はヘッドレストを外し、背もたれを後方に倒して長さを確保する
- フルフラット時の最大長は旧型デイズルークスの方が長い傾向
- 新型ルークスの車中泊では約7cmの段差対策が快適化の鍵
- 市販のベッドキットは設置が簡単で床下収納も確保できる
- 一部ユーザーはストッパー加工の改造でリクライニング角度を広げている
- 改造はメーカー保証外となり、安全性に注意が必要な自己責任の行為
- デイズルークスは寝るためのフルフラットと積むためのフロアフラット両方に優れる