こんにちは。軽自動車ナビ、運営者の「S」です。普段の買い物や通勤に便利なエヌワゴンですが、ふとした瞬間に「この車で気ままな車中泊の旅に出てみたい」と思ったことはありませんか。しかし、いざ実行に移そうとすると、シートの凹凸や室内の広さが気になって、「本当に朝までぐっすり眠れるのだろうか」「体が痛くて翌日の運転に支障が出るのではないか」と不安になる方も多いはずです。特にN-WGNのような全高を抑えた軽ハイトワゴンは、N-VANのような商用バンや、N-BOXのようなスーパーハイトワゴンと比較して、車中泊の適性があるのか疑問に感じるものです。

実は私自身も、愛車のエヌワゴンでいかに快適な寝床を作るか、何度も試行錯誤を繰り返してきました。カタログ通りのフルフラットにするだけでは寝られない現実や、それを解消するためのマット選び、そしてプライバシーを守るシェードの重要性など、実際にフィールドに出て寝てみないと分からないことが山ほどありました。
この記事では、エヌワゴンでの車中泊を本気で検討している皆さんが抱える具体的な悩みを解決し、エコノミークラス症候群や寝不足とは無縁の、快適な夜を過ごすためのノウハウを余すところなくお伝えします。
記事のポイント
- N-WGNのシートアレンジだけで作れる就寝スペースの現実的な広さと限界
- シート特有の段差を身近な日用品で解消して熟睡するための具体的なテクニック
- ニトリのマットや100均グッズを駆使した、低予算かつ高機能な快適化術
- 車中泊を楽しむユーザーとして絶対に守らなければならないマナーと法的リスク
エヌワゴンで車中泊を実現する装備と工夫
N-WGNを単なる「移動手段」から、足を伸ばしてくつろげる「快適な動く寝室」へと変貌させるためには、いくつかのステップを確実に踏む必要があります。まずは基本となるシートアレンジの方法から、どうしても発生してしまう厄介な段差の処理、そして安眠に欠かせないマットやベッドの準備まで、私が実際にリサーチし、実践の中で確立したメソッドを順を追って詳しく解説していきます。
- Nワゴンのフルフラットのやり方
- フルフラットの限界と対策
- 車中泊をDIYで段差解消
- JH3型のマットの選び方
- ベッドの自作方法
- キットで快適化
Nワゴンのフルフラットのやり方

車中泊を始めるにあたって、まずはN-WGNが持っているポテンシャルを最大限に引き出すための、正しいシートアレンジを知っておくことが第一歩です。N-WGNで大人が就寝するための基本形は、メーカー公式でも紹介されている「リラックスモード」と呼ばれるアレンジです。
具体的な手順を詳しく見ていきましょう。慣れれば1分もかからずにセットできます。
リラックスモードの完全手順
- ヘッドレストの撤去:運転席と助手席のヘッドレストを取り外します。外したヘッドレストは就寝時に枕として使うか、足元のスペースに収納しましょう。
- 前席のスライド:運転席と助手席を、スライドレバーを引いて一番前(ダッシュボード側)まで移動させます。
- 背もたれの展開:前席の背もたれを、座面と水平になるように後ろへ倒しきります。この時、後席の座面とぴったり連結するように位置を微調整するのがコツです。
- 後席のリクライニング:後席の背もたれも、荷室の荷物に干渉しない範囲で可能な限り後ろへ倒します。
この手順で完成したスペースは、ダッシュボード付近から後席の背もたれまで、縦方向に約200cm以上の長さが確保されます。これは、身長180cmクラスの大柄な男性でも、足をまっすぐに伸ばして寝ることができる十分な長さです。「軽自動車だから窮屈だろう」という先入観を持っている方は、この縦方向の意外な余裕に驚かれることでしょう。
フルフラットの限界と対策

シートアレンジで広さは確保できましたが、ここで「フルフラット」という言葉の現実に直面することになります。カタログの写真などでは綺麗な平面に見えても、実際にその上に寝転がってみると、完全な水平面ではないという厳しい現実に気づくはずです。
N-WGNのシートは、走行中に乗員の体をしっかりと支えるために、立体的なバケット形状で作られています。そのため、車中泊モードにした際には、前席の背もたれと座面のつなぎ目(腰のあたり)や、前席と後席の連結部分(膝のあたり)に、大きな「段差」と「傾斜」が生じてしまいます。何も対策せずにこのまま寝ると、体が不自然に反り返ったり、逆にくの字に曲がったりしてしまい、翌朝には腰や背中に激痛が走り、最悪の場合はエコノミークラス症候群のリスクも高まります。
注意:「疲れているからそのまま寝られるだろう」という油断は禁物です。この段差を放置することは、翌日の運転の集中力を著しく低下させる原因になります。N-WGNで車中泊をするなら、この段差対策こそが最重要課題だと認識してください。
車中泊をDIYで段差解消

では、その厄介な段差をどうやって解消すればよいのでしょうか。高価な専用マットを購入する前に、まずは自宅にあるものや安価なアイテムを使ったDIYアプローチを試してみることを強くおすすめします。
最も手軽で、かつ効果が高いのが、バスタオルや衣類を隙間に詰め込む「埋める」テクニックです。特に段差が深く落ち込んでいる「前席の座面と背もたれの間」には、バスタオルを3〜4枚ほど硬く丸めてロール状にし、しっかりと押し込みます。また、前席と後席の段差には、季節外れのダウンジャケットやブランケットを畳んで敷き詰めるのが有効です。
さらに、100円ショップで手に入るアイテムも活用しましょう。ジョイントマットや発泡スチロール製のブロック、あるいはクッションを適当な大きさにカットして、凹んでいる部分の土台にします。要は「低い部分を持ち上げて、高い部分のレベルに合わせる」という作業を行うことで、擬似的に平らなベッドベースを作り出すのです。
段差解消に役立つ身近なアイテムリスト
- バスタオル:形状を自由に変えられるため、微妙な隙間を埋めるのに最強の素材です。
- 衣類・寝袋の袋:ダウンジャケットなどはクッション性が高く、断熱効果も期待できます。
- 銀マット(キャンプ用):適度な硬さがあり、カッターで簡単に加工できるため、段差埋めのベース材として優秀です。
JH3型のマットの選び方

タオルやクッションで下地を作ったら、その上に敷くメインのマットを選びましょう。特に現行モデルのJH3/JH4型にお乗りの方に私が強くおすすめしたいのは、設営の簡単さと収納性を兼ね備えた「折りたたみ式」のマットレスです。
車中泊ユーザーの間で「神アイテム」として絶大な支持を得ているのが、ニトリの「6つ折りマットレス」です。N-WGNの室内幅はカタログ値で約130cmですが、ドアのアームレストやタイヤハウスの出っ張りを考慮すると、実際にフラットにマットを敷ける有効幅はもう少し狭くなります。そのため、幅100cm程度のシングルサイズを選ぶか、あるいは一人での使用なら幅60cmのごろ寝マットサイズを選ぶのが、取り回しが良くベストな選択です。
なぜ「6つ折り」が良いのかというと、N-WGNはN-VANのように床下に完全に収納できるわけではないため、移動中の「片付けやすさ」が死活問題になるからです。6つ折りタイプなら、パタパタと畳んでラゲッジスペースに積み上げたり、後席の足元スペースにすっぽり収めたりできるため、限られた車内空間を圧迫しません。
| マットの種類 | メリット | デメリット | N-WGNへの適性 |
|---|---|---|---|
| 折りたたみウレタン | 準備が敷くだけで一瞬。適度な硬さで底付きしにくい。 | 収納時に少しかさばる(厚みが出る)。 | ◎(最適) |
| インフレータブル | 空気を抜けば非常にコンパクト。寝心地が良い。 | 設営と撤収(特に空気抜き)が狭い車内では重労働。 | ○(収納重視なら) |
| 銀マット | とにかく安い。断熱性が高く冬場に有利。 | 硬くて寝心地は劣る。体が痛くなりやすい。 | △(下地用推奨) |
ベッドの自作方法

「簡易的なマットではなく、家のベッドのような完全な平面が欲しい!」というこだわり派の方は、ホームセンターで材料を揃えて、本格的なベッドキットを自作(DIY)するのも一つの手です。
一般的には、イレクターパイプでフレームを組み、その上にコンパネ(合板)を載せる方法が主流です。N-WGNの荷室形状に合わせてコンパネをカットし、クッション材と合皮レザーをタッカーで留めれば、プロ顔負けのベッドが完成します。これならシートの凹凸に一切影響されない、完全なフラット面を作り出すことが可能です。
ただし、自作する際には重要な注意点があります。N-WGNはN-BOXなどのスーパーハイトワゴンに比べて、室内高が約130cmと少し低めです。ベッドの位置(床面の高さ)を上げすぎてしまうと、寝たときに天井が目の前に迫ってきて、強烈な圧迫感を感じることになります。また、座って着替えることも難しくなるため、自作する場合はできるだけ床面を低く設計するのが、居住性を損なわないコツです。
キットで快適化
「DIYをする時間も工具もないし、失敗したくない」という方は、やはりプロが作った車種専用の車中泊キットを利用するのが一番の近道であり、満足度も高いでしょう。
例えば「MGR Customs」などの専門店から販売されているN-WGN専用ベッドキットは、車両の形状に合わせてミリ単位で設計されているため、フィッティングは抜群です。走行中のガタつき音も抑えられており、設置するだけで極上の寝床が完成します。予算はかかりますが、快適な睡眠をお金で買うと考えれば、決して高い投資ではありません。

また、ベッドと同じくらい重要なのが「プライバシーシェード(サンシェード)」です。タオルを窓に挟むだけでは隙間から中が見えてしまい、防犯上も精神衛生上も良くありません。車種専用設計のシェードなら、全方位の窓にピッタリとはまり、外からの視線を完全にシャットアウトできます。冬場は窓からの冷気を遮断する断熱効果もあるため、必須装備と言えるでしょう。
エヌワゴンで車中泊の注意点とマナー
装備が整ったらすぐにでも旅に出かけたくなりますが、その前に知っておくべき重要なルールとマナーがあります。車中泊ブームの裏で、一部のユーザーによる迷惑行為が問題となり、利用禁止になる場所も増えています。自分だけでなく、後から来る人たちも気持ちよく利用できるよう、正しい知識を身につけましょう。
- エヌワゴンのスペックを紹介
- JH1型での車中泊
- 車中泊はやばいですか?暗黙のルールは?
- サービスエリアで車中泊はダメですか?
- 車中泊でクーラーをつけっぱなしにするのはNGですか?
- エヌワゴンで車中泊についてを総括
エヌワゴンのスペックを紹介
エヌワゴンの主なスペックを以下の表にまとめています。
| グレード | 型式 | 新車価格(税込) | 駆動方式 | トランスミッション | 全長×全幅×全高(mm) | 室内寸法(mm) | 車両重量(kg) | 排気量(cc) | 最高出力(PS) | 最大トルク(kg・m) | 燃費(WLTCモード) | 最小回転半径 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| N-WGN L | 5BA-JH3 | 1,448,700円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,675 | 2,055×1,350×1,300 | 850 | 658 | 58 | 6.6 | 23.2km/L | 4.5m |
| N-WGN L | 5BA-JH4 | 1,581,800円 | 4WD | CVT | 3,395×1,475×1,695 | 2,055×1,350×1,300 | 910 | 658 | 58 | 6.6 | 21.2km/L | 4.7m |
| Custom L | 5BA-JH3 | 1,689,600円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,705 | 2,055×1,350×1,300 | 870 | 658 | 58 | 6.6 | 23.2km/L | 4.5m |
| Custom L ターボ | 5BA-JH3 | 1,788,600円 | 2WD | CVT | 3,395×1,475×1,705 | 2,055×1,350×1,300 | 890 | 658 | 64 | 10.6 | 21.2km/L | 4.5m |
| Custom L ターボ | 5BA-JH4 | 1,921,700円 | 4WD | CVT | 3,395×1,475×1,725 | 2,055×1,350×1,300 | 950 | 658 | 64 | 10.6 | 19.0km/L | 4.7m |
※ HONDA公式サイトより引用
JH1型での車中泊
ここまでは主に現行モデル(JH3/4型)を中心にお話ししてきましたが、先代モデルであるJH1/JH2型(旧型N-WGN)に乗っているオーナーの方も多いと思います。基本的な「リラックスモード」の作り方や、タオルを使って段差を埋めるという攻略法は、旧型でも全く同じように通用しますのでご安心ください。
ただし、装備品を購入する際には細心の注意が必要です。新型と旧型では、窓ガラスの形状やサイズが微妙に異なります。そのため、サンシェードやカーテンを購入する際は、必ず「JH1/JH2用」と明記された適合品を選ぶようにしてください。「N-WGN用ならどれでも同じだろう」と思って新型用を買ってしまうと、サイズが合わずに隙間だらけになったり、吸盤がつかなかったりして使い物になりません。
車中泊はやばいですか?暗黙のルールは?

ネット検索で「車中泊」と入力すると「やばい」というキーワードが出てきて心配される方もいますが、これは治安的な危険性と、マナー違反に対する社会的な目の厳しさの両面を指しています。結論から言えば、場所選びとマナーさえ守れば、決して「やばい」行為ではありません。
車中泊には絶対に守るべき「暗黙のルール」が存在します。最も大切なのは、「道の駅やサービスエリア(SA・PA)はキャンプ場ではない」という認識を持つことです。これらはあくまで、運転で疲れたドライバーが安全のために休憩・仮眠をとるための公共施設です。
絶対にやってはいけないNG行動(一発アウト)
- キャンプ行為:駐車枠の中にイスやテーブルを出してくつろいだり、オーニング(日除け)を広げたりすること。
- 車外調理:カセットコンロやバーベキューセットを使って、車外で火を使うこと。
- 公共施設の私物化:トイレの洗面所で食器を洗ったり、洗濯をしたり、家庭ゴミを大量に捨てたりすること。
- 長期滞在:何日も同じ場所に居座り(連泊)、駐車場を占拠し続けること。
これらの行為は、他の利用者の迷惑になるだけでなく、「車中泊禁止」の看板が立てられる直接的な原因になります。「休憩させてもらっている」という謙虚な気持ちで利用しましょう。
サービスエリアで車中泊はダメですか?
高速道路のサービスエリアや道の駅での車中泊について、「宿泊」は認められているのかという疑問を持つ方は多いです。これについて、国土交通省は明確な見解を示しています。
「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
(出典:国土交通省『道の相談室:休憩施設「道の駅」』)
つまり、「旅行の宿泊施設代わりとしてガッツリ泊まること」は推奨されていませんが、「安全運転のために仮眠をとること」は認められています。長距離移動の途中に夜遅く到着し、朝まで睡眠をとって出発するというスタイルであれば、本来の施設の目的に適っていると言えます。あくまで「仮眠」の範疇に留め、節度ある利用を心がけることが大切です。
車中泊でクーラーをつけっぱなしにするのはNGですか?

夏場の車中泊で最大の問題となるのが「暑さ」ですが、エンジンをかけたままエアコン(クーラー)を一晩中つけっぱなしにして寝るのは、絶対にやってはいけないNG行為です。
これには、以下の3つの重大な理由があります。
- 騒音トラブル:夜間の静かな駐車場では、アイドリング音やエアコンのコンプレッサー音は想像以上に響き渡ります。周囲の車中泊者や近隣住民にとって大きな迷惑となります。
- 環境への負荷:一晩中排気ガスを出し続けることは、環境に対して不要な負荷をかけることになります。
- 一酸化炭素中毒の危険:これが最も恐ろしいリスクです。風向きが変わって排気ガスが車内に流れ込んだり、冬場に雪が積もってマフラーが塞がれたりすると、車内が一酸化炭素で充満し、気づかないまま命を落とす事故が毎年発生しています。
夏場は標高の高い涼しい場所をリサーチして選ぶか、充電式のポータブル扇風機や、窓に取り付ける防虫ネット(網戸)を活用して、エンジンを切っても快適に過ごせる工夫をしましょう。N-WGNで本格的に楽しむなら、ポータブル電源を導入して、電気の力で夏は扇風機、冬は電気毛布を使うのが、最も安全でスマートなスタイルです。
エヌワゴンで車中泊についてを総括

N-WGNという車は、もともと「寝るため」に特化して設計されたキャンピングカーではありません。しかし、その高い基本性能と日常での使い勝手の良さは、工夫次第で素晴らしい旅の相棒になってくれます。ここまで解説してきた通り、N-WGNで快適に過ごすための要点は以下の通りです。
記事のポイント振り返り
段差の攻略が最優先:シートアレンジで生じる段差をタオルやクッションで丁寧に埋めることが、安眠への第一歩です。
適切なマット選び:収納に便利なニトリの6つ折りマットなど、限られた空間を有効に使えるアイテムを選びましょう。
マナーの徹底:エンジンを切り、周囲に配慮した行動をとることが、車中泊ライフを長く楽しむための鉄則です。
「シートの段差」という最大の敵さえ攻略してしまえば、N-WGNは日常の利便性を一切損なうことなく、週末には頼れる「動く秘密基地」へと変貌します。
まずは家にあるタオルやクッションを持って、自宅の駐車場で一度「お試し車中泊」をしてみてください。そこで何が足りないか、どうすればもっと快適になるかを発見するプロセスこそが、DIY車中泊の醍醐味でもあります。ルールとマナーを守りながら、エヌワゴンと共に、あなただけの自由な旅のスタイルを見つけてみてください。