
軽バンに自転車を積みたいと考えたとき、「どうやって載せればいいのか」「走行中に動かないように固定するにはどうすればいいのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。特に、自転車の積み方や固定方法といった情報を知りたい方は、安全で効率的な方法を求めていることでしょう。
本記事では、ママチャリやロードバイクなどの積載方法をはじめ、軽自動車や軽バンにおける基本の積み方、注意点、固定のコツまでを詳しく解説します。特に人気車種であるスズキのエブリイを例に、実際の荷室寸法や積載実例も紹介しています。
また、荷室の使い勝手を高める荷台シートの活用法や、自転車のサイズ(インチ)による積載対応の違い、さらにはスライドレールやキャリアの選び方、快適な運搬を実現するための軽バンの改造アイデアまで幅広くカバーしています。
初めて自転車を積む方にも分かりやすく、実践しやすい情報をまとめていますので、これから軽バンでの自転車運搬を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
軽バンに自転車は載せられる?積み方や固定の基本

- 積み方や固定の基本とは?
- ママチャリは積める?
- ロードバイクは3台積める?何台まで積める?
- 自転車は何インチまで積める?
- MTBの積み方と工夫
- 荷室寸法から見る積載力
- 主な軽バンのスペック
積み方や固定の基本とは?

軽バンに自転車を積むときは、積載の手順と固定方法を事前に理解しておくことが重要です。これを怠ると、走行中に自転車が倒れたり車内を傷つけたりするリスクが高まります。
まず自転車を積む前に、車内の荷室スペースを確認しましょう。多くの軽バンでは、後部座席を倒して荷室を拡張できます。自転車のサイズにもよりますが、27インチのママチャリやロードバイクでも、前輪を外せば車内に積み込むことが可能です。ハンドルを切ったり、前後を互い違いにすることで、2~3台の積載も対応できます。
次に、自転車を積んだあとの固定がポイントです。そのままでは車内で動いてしまい危険なので、荷室のフックやベルトを活用してしっかりと固定します。市販のラッシングベルトやゴムロープを使うと、タイヤやフレームを安定させやすくなります。フォークマウントやスタンドを使うと、より確実に自転車を立てた状態で固定することもできます。
ただし注意点として、荷室にフックがない車種もあるため、固定ポイントが少ない場合はDIYで追加するか、床にベースを設置する必要があります。また、自転車の金属部分が内装と直接触れないよう、毛布やゴムマットを敷いて保護するのもおすすめです。
このように、軽バンでの自転車積載はコツを押さえれば難しくありません。ポイントは、スペースの使い方と確実な固定にあります。積むだけでなく、安全に運ぶための準備をしっかり行いましょう。
ママチャリは積める?

軽バンには27インチのママチャリを積むことが可能です。実際、多くの軽バンオーナーがママチャリを載せて移動しています。
まず知っておきたいのは、ママチャリの全長はおよそ180cmあるという点です。これに対して、代表的な軽バンである「ダイハツ ハイゼットカーゴ」や「スズキ エブリイ」では、荷室長が約190cm前後あります。つまり、工夫すれば前輪を外さなくても載せられるサイズ感です。
載せ方としては、1台だけであれば真っすぐ入れることも可能ですが、より安定させたい場合は、前後の自転車を互い違いにする方法が有効です。この方法により、2台のママチャリを積むことも十分に可能です。特にハンドル同士の干渉を避けやすくなり、スムーズに収まります。
注意したいのは、車内で自転車が倒れたり揺れたりしないよう、しっかり固定することです。フレームやタイヤ部分を荷かけベルトなどで固定し、タイヤが滑らないようにゴムマットや毛布を敷くと安心です。また、内装を保護する意味でも、傷防止用のシートを併用すると良いでしょう。
ただし、車種や年式によって荷室寸法は異なります。購入前または積載前に、荷室長・荷室高の確認は必須です。特に背の高いママチャリでは、サドルの高さや前カゴの出っ張りが影響するため、念入りな計測が求められます。
このように、軽バンでママチャリを運ぶことは難しくありません。少しの工夫と固定の配慮があれば、安全かつ快適に移動することができます。
ロードバイクは3台積める?何台まで積める?

軽バンには、工夫次第でロードバイクを3台以上積むことが可能です。実際の積載可能台数は、自転車のサイズや積み方、固定方法によって変わります。
多くの軽バン、たとえばスズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットカーゴのような車種では、荷室長が約1.9m、荷室高が1.2m以上あります。このスペースに対して、一般的なロードバイクの全長はおよそ1.6〜1.7mです。そのため、前輪を外すだけで車内に複数台積むことが可能になります。
3台積む場合は、前輪を外したうえでハンドルの角度を変えたり、バイク同士を前後互い違いに配置することが効果的です。この方法により、フレーム同士の接触を防ぎながらスペースを有効活用できます。また、2台を立てかけて1台を上に重ねるような積み方も選択肢のひとつです。
ただし、4台以上となると注意が必要です。荷室全体の奥行きと高さは足りていても、横幅やハンドルの干渉、固定の難しさが大きな障害になります。安全面や積み降ろしの手間を考えると、無理なく積めるのは3台程度が限界と考えておくとよいでしょう。
また、固定にはフォークマウントやラッシングベルトを使うのが効果的です。固定が甘いと、走行中に自転車が動き、フレームに傷が付いたり転倒の原因になったりします。段ボールや毛布などで緩衝材を挟むのも忘れずに行いましょう。
このように、軽バンにロードバイクを3台積むことは十分に現実的です。工夫を重ねれば4台以上も積載可能ですが、安全性と使い勝手のバランスを取ることが大切です。
自転車は何インチまで積める?

軽バンには一般的な27インチの自転車まで積載することが可能です。具体的には、27インチのママチャリやクロスバイク、26~29インチのMTB(マウンテンバイク)なども、積み方を工夫すれば搭載できます。
自転車の「インチ」は主にタイヤの直径を示しており、27インチは全長約180cm程度になることが一般的です。これに対して、ハイゼットカーゴやエブリイといった代表的な軽バンは、荷室長が1,900mm前後あり、シートアレンジ次第では十分な長さを確保できます。
積載の際は、前輪を外したり、ハンドルの角度を変えることでスペースに収めやすくなります。とくに29インチのMTBなどは車内にそのまま載せるには高さと幅がネックになるため、ホイールを外す作業は避けられません。
注意点として、車種によって荷室の高さが異なるため、ハンドルやサドルの高さが干渉することがあります。また、リアキャリアや前カゴがある自転車は全長が伸びる傾向にあり、積載スペースをさらに圧迫することもあります。
加えて、自転車のインチ数が大きくなるほど、重さも増えるため、積み下ろしには体力とコツが必要です。安全のためには、荷室への出入りをスムーズにするスロープや、積載後のしっかりとした固定もセットで考えておきましょう。
このように考えると、軽バンでは最大で29インチの大型MTBまで対応可能ですが、快適に積載できるのは27インチ前後の自転車が目安です。積載前には、荷室の寸法と自転車のサイズをしっかり確認しておくことが大切です。
MTBの積み方と工夫

軽バンでマウンテンバイク(MTB)を積む場合、サイズの大きさと車内スペースの活用がポイントになります。MTBはタイヤ径が26~29インチと大きめで、ハンドル幅も広いため、積み方に工夫が必要です。
基本的には、前輪を外して積む方法が一般的です。前輪を外すことで全長をコンパクトにでき、軽バンの荷室(およそ190cm)にもスムーズに収まります。ハンドルはそのままでも入ることが多いですが、干渉する場合はステムを緩めてハンドルを横向きにすると、より余裕を持たせられます。
工夫のひとつとして、フォークマウント式のスタンドを床面に設置する方法があります。これにより、前輪を外した状態でフォークを固定し、安定した状態でバイクを立てて積載可能になります。バイクが倒れにくくなるだけでなく、走行中の揺れによる車内の損傷も防げます。
また、積載時にMTBのチェーンやギア部分が他の荷物に触れると汚れや傷の原因になるため、フレームカバーや保護マットの使用もおすすめです。タイヤが泥だらけのときは、荷台シートを敷いて汚れを防ぎましょう。
もし複数台のMTBを積む場合は、前後を交互に向けたり、タイヤ幅に合わせて間隔を調整したりすることで、3台まで積載可能なケースもあります。ただし、その際はバイク同士の接触を防ぐため、緩衝材や間仕切りを活用してください。
このように、MTBを軽バンに積む際は「前輪を外す」「スタンドで固定」「保護材を使う」といった基本を押さえつつ、スペースと安定性のバランスを工夫することが重要です。
荷室寸法から見る積載力

軽バンの積載力は、荷室寸法によって大きく左右されます。自転車を安全かつスムーズに積みたいなら、各モデルの荷室サイズを把握しておくことが重要です。
代表的な軽バン4車種の荷室寸法を比較すると、ダイハツ ハイゼットカーゴは荷室長1,915mm・幅1,270mm・高さ1,250mmと、全体的に広めです。これに対し、スズキ エブリイは荷室長1,820〜1,910mm、ホンダ N-VANは荷室長1,330〜1,510mmと幅があります。スペーシアベースはややコンパクトで、荷室長が1,205mmしかないため、大型の自転車を積むには工夫が必要です。
このように、荷室長が1,800mm以上ある車種であれば、27インチのママチャリやロードバイクも前輪を外さず積める可能性があります。逆に荷室長が1,300mm以下になると、ホイールの脱着やシートのフラット化が不可欠になります。
また、荷室の幅と高さも見逃せません。自転車は横幅があるため、1,200mm以上の荷室幅があると積み込みの自由度が上がります。高さについても1,200mm以上あることで、サドルやハンドルが天井に当たりにくくなり、ストレスの少ない積載が可能になります。
さらに注目すべきは、助手席を前倒しすることで得られる“最大床面長”です。ハイゼットカーゴやエブリイでは、助手席を活用すれば2,600mmを超えるスペースを確保できます。これにより、長尺物の積載にも柔軟に対応でき、自転車と他の荷物を一緒に運ぶことも現実的になります。
このように、軽バンの荷室寸法は単なる数字ではなく、積載のしやすさや積み方の選択肢に直結しています。自転車を積むための車選びでは、長さ・幅・高さそれぞれのバランスに注目することが大切です。
主な軽バンのスペック

主な軽バンのスペックを以下の表にまとめています。
車名 | グレード | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 | 定員 | 燃費(WLTC) | サイズ(全長×全幅×全高 mm) | 荷室寸法(長×幅×高 mm) | タイヤサイズ | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スズキ エブリイ | PCハイルーフ | HBD-DA17V | 660cc | 5 | 5MT/4AT | FR/4WD | 4 | 約13.2~15.4km/L | 3,395×1,475×1,895 | 1,910×1,385×1,240 | 145/80R12 80/78N LT | SUZUKI公式 |
ダイハツ ハイゼットカーゴ | デラックス | HBD-S321V | 660cc | 5 | 5MT/CVT | FR/4WD | 2/4 | 約13.5~15.6km/L | 3,395×1,475×1,890 | 1,915×1,315×1,235 | 145/80R12 80/78N LT | DAIHATSU公式 |
ホンダ N-VAN | G Honda SENSING | HBD-JJ1 | 660cc | 5 | CVT | FF/4WD | 4 | 約16.2~19.2km/L | 3,395×1,475×1,950 | 1,510×1,390×1,365 | 145/80R12 80/78N LT | HONDA公式 |
ダイハツ アトレー | RS | 5BD-S710V | 660cc(ターボ) | 5 | CVT | FR/4WD | 4 | 約13.5~14.7km/L | 3,395×1,475×1,890 | 1,820×1,315×1,215 | 155/65R14 | DAIHATSU公式 |
スズキ スペーシア ベース | XF | 5BD-MK33V | 660cc | 5 | CVT | FF/4WD | 4 | 約19.2km/L | 3,395×1,475×1,785 | 1,395×1,245×1,270 | 155/65R14 | SUZUKI公式 |
軽バンに自転車は載せられる?積み方や固定に役立つ情報

- 積み方や固定の順番とまとめ
- エブリイバンの実例
- キャリアの選び方
- スライドレールの活用方法
- 荷台シートで車内を保護
- 改造で快適な積載環境を
- 積み方や固定方法の注意点とまとめ
積み方や固定の順番とまとめ

軽バンで自転車を運ぶには、積み込みや固定の順番を理解しておくことが重要です。ここでは流れに沿って、必要なポイントを整理していきます。
荷室を整える
まずは後部座席を倒して荷室を最大限に広げます。床がフラットになるようにし、荷台シートやラバーマットを敷いて内装を保護しましょう。滑り止めや防汚の効果もあるため、快適に積載できます。
自転車を積み込む準備をする
自転車の前輪を外せる場合は外し、全長を短くしておくと積み込みが容易になります。ホイールは専用バッグやタオルで包んで一緒に載せましょう。ハンドルを90度曲げるだけでも空間を有効に使えます。
自転車を車内に積む
フレーム同士がぶつからないよう、自転車の向きを前後交互に配置すると効率よく積めます。複数台を積む場合は、毛布や段ボールを間に挟むことで傷防止になります。
自転車をしっかり固定する
積んだだけでは走行中に倒れる危険があります。ラッシングベルトやゴムロープでフレームをしっかり固定しましょう。シートベルト基部やラゲッジフックを活用すると安定します。
最終確認と注意点
積み終えたら自転車を軽く揺らして、しっかりと固定されているかをチェックします。ぐらつきや異音がなければOKです。ただし、急ブレーキやカーブでは荷物が動く可能性があるため、固定は十分に行いましょう。
このような順番で進めることで、軽バンでも自転車を安全・確実に積むことができます。見た目以上に手間がかかる作業ですが、丁寧に行うことで車両や自転車へのダメージを防ぐことができます。
エブリイバンの実例

エブリイバンは軽バンの中でも自転車の積み込みに優れた車種として知られています。荷室長や天井高が広く、積載自由度の高さから、ロードバイクやママチャリを複数台運ぶ用途にも適しています。ここでは、実際の積み込み方や固定方法の実例をもとにポイントを解説します。
まず積載面で注目すべきは、荷室長1,820〜1,910mm・荷室幅1,280〜1,320mm・荷室高1,240mmという数値です。この寸法があることで、27インチのママチャリやロードバイクを前後互い違いにすることで2〜3台積載できます。ロードバイクであれば、前輪のみを外して並べれば最大7台まで積載できたという実例もあります。
固定方法としてよく使われているのは「フォークマウント」の活用です。自作のコンパネ(土台)にマウントを取り付け、前輪を外した状態でフロントフォークをしっかりと固定します。この方式なら自転車が左右に揺れることなく安定し、走行中のズレも防げます。荷物の多い場合は2段構造にDIYして、上段に自転車、下段に工具やウェアを収納する形も実現可能です。
さらに、倒れやすいママチャリの場合は、前後の車体を毛布で包んでラッシングベルトで締めると、車体同士の干渉を防ぎつつ一体化させることができます。自転車2台を1つの塊にしておくことで、荷室のベルト固定用フックに結びやすくなり、安定性が増します。
注意点としては、車内がフルフラットでないグレードもあるため、床の凹凸をカバーするマットやカーペットを敷くのが基本です。また、積み下ろしの際には後方ハッチの高さ制限も意識して、安全に出し入れできるかを確認しておきましょう。
このように、エブリイバンは車内改造や固定工夫の幅が広く、さまざまなスタイルの自転車ユーザーに適応できる汎用性を持っています。複数台の積載や頻繁な運搬を想定する場合、非常に高い実用性があると言えるでしょう。
キャリアの選び方

軽バンで自転車を安全に運ぶために欠かせないのが「自転車キャリア」の存在です。車内に積み込むだけでなく、キャリアを活用することで、積載台数の拡大や荷室スペースの有効活用が可能になります。
まず最初に確認すべきは、「取り付けタイプ」です。軽バンでよく使われるのは、ヒッチメンバータイプとルーフマウントタイプです。ヒッチメンバーが付いていれば後部にキャリアを装着でき、車内空間を完全に空けることができます。ただし、ヒッチ取付には加工や構造変更が必要になることが多く、車検対応を事前に確認しておく必要があります。
一方で、ルーフマウントタイプはキャリアバーと自転車ラックを車の屋根に装着する方法です。市販されているキャリアには、前輪を外してフロントフォークを固定するタイプや、フレームを支えるクランプ式などがあり、それぞれ対応する自転車や安定性に違いがあります。
次に考えるべきは「積載可能台数と重量」です。例えば、THULE(スーリー)などの高品質キャリアは、2台まで積載できて1台あたり35kgまで対応しています。E-BIKEのように重たい車体を載せる場合は、耐荷重に特化したモデルを選ぶ必要があります。
加えて「操作性と脱着のしやすさ」も大切なポイントです。キャリアを頻繁に付け外しする場合、工具不要で取り付けられる製品や、スライド式で出し入れがしやすいモデルが便利です。荷物の邪魔にならず、駐車場などで周囲に迷惑をかけにくい設計かどうかも見ておくとよいでしょう。
ただし、外付けのキャリアは盗難対策も重要です。ロック機構のあるものを選ぶか、別途ワイヤーロックを併用するのが安心です。また、走行中の風圧や振動に耐えられるか、定期的な点検や再固定を怠らないことも重要になります。
このように、軽バン用の自転車キャリアは「使い方」と「目的」によって選び方が変わります。車内スペースを節約しつつ、効率よく自転車を運びたい方にとって、最適なキャリアの導入は非常に有効な手段となるでしょう。
スライドレールの活用方法

軽バンに自転車を効率よく積むための工夫のひとつが「スライドレール」の活用です。特に複数台を載せる場合や、頻繁に積み降ろしをするユーザーにとって、スライドレールは大きな時短と作業の安定性をもたらします。
まず、スライドレールとは、荷室の床などに取り付けて使うガイドレールのことです。その上にスライド可能な台やトレイを取り付けることで、自転車を載せたまま手前に引き出すことができます。この構造により、奥に載せた自転車でも無理な姿勢を取らずに積み下ろしできるのが特徴です。
代表的な製品としては、THULEの「ベロスライド」などがあり、最大70kgまでの自転車を2台同時に積載できます。高価なものが多いですが、手前・奥どちらにもスライドできる設計が多く、他の荷物を取り出す際にも便利です。
取り付け方法には、床に直接ボルトで固定する方法と、市販のマウンティングレールに組み合わせる方法の2つがあります。DIYで施工する場合は、床材への影響や固定強度に注意が必要です。また、レール自体の耐荷重を超えないようにすることも重要です。
さらに、スライドレールにフォークマウント(前輪を外して固定する器具)を組み合わせれば、自転車を倒すことなく安定して積めます。こうすることで、走行中の振動や急ブレーキ時の転倒リスクを軽減できます。
一方で、導入には費用がかかり、ある程度のDIYスキルも必要です。そのため、自転車を日常的に運ぶユーザーやイベントなどで頻繁に出し入れする人に向いた設備だといえるでしょう。
スライドレールは「安全性」「効率」「整頓性」を高める非常に実用的なパーツです。快適な積載環境を整えたい場合は、導入を検討する価値があります。
荷台シートで車内を保護

軽バンで自転車を運ぶ際、車内の保護に役立つのが「荷台シート」です。特にフレームやタイヤが汚れていたり、複数台を積む場面では、荷台シートの有無が車内の汚れや傷に大きく影響します。
荷台シートには主に3つのメリットがあります。まずひとつ目は「内装の保護」。自転車の金属パーツが直接荷室に触れると、擦り傷や塗装剥がれの原因になりますが、シートを敷くことでこれを防げます。とくにマウンテンバイクのようにタイヤが太く泥汚れがつきやすい車種には効果的です。
次に、「滑り止め効果」が挙げられます。シートにはゴム製や凹凸のある素材があり、これらを使うことで走行中の横揺れによる自転車の移動を抑えることができます。加えて、荷物固定用のベルトやネットとの相性も良く、より安定した積載が可能です。
さらに、掃除のしやすさも見逃せません。荷台が汚れてしまった場合でも、シートを取り外して水洗いできるため、清掃の手間が減ります。防水・防汚加工が施されたタイプを選べば、よりメンテナンスが簡単になります。
ただし、選ぶ際には車種に合ったサイズや厚みを確認しましょう。薄すぎると保護力が不十分になり、逆に厚すぎると床面が不安定になりかねません。また、シートの裏側にノンスリップ加工があるかどうかもチェックポイントです。
このように、荷台シートは車内保護のための基本装備ともいえる存在です。自転車を積む頻度が高い人ほど、その効果を実感しやすくなるでしょう。シンプルな工夫で車内を長く綺麗に保つために、ぜひ取り入れておきたいアイテムです。
改造で快適な積載環境を

軽バンで自転車を快適に運ぶためには、車内の「改造」を検討するのも一つの有効な手段です。とくに頻繁に積載する方や、複数台の自転車を安全・効率よく運びたい場合は、車内の工夫によって利便性が大きく変わります。
まず多くの人が行っている基本的な改造は、「床面の整備」です。市販のコンパネ(合板)を車内幅に合わせてカットし、荷室の床に敷くことで、バイクスタンドやフォークマウントの土台にすることができます。これにカーペットやマットを巻いておけば、自転車を直接床に置くよりも安定感が増し、車内の保護にもつながります。
次におすすめなのが、「固定装置の設置」です。具体的には、前輪を外してフォークをマウントで固定する方法が一般的です。これにより、自転車が倒れたり動いたりする心配がなくなります。固定はボルトや結束バンドで簡単に行えますが、土台となる板の強度には注意が必要です。
さらに改造を進める場合は、「収納スペースの分離」も効果的です。例えば、2段ベッドのように上下を分けた構造を作ることで、自転車の下に工具や輪行バッグ、ヘルメットなどの小物を整理できます。この工夫により、荷物の出し入れもスムーズになり、走行中のガタつきも抑えられます。
ただし、改造をする際は取り外し可能な構造にすることがポイントです。荷物の種類や人数に応じてレイアウトを変えられるようにしておくと、より柔軟に使えます。また、強度や重量バランスを考えずに改造すると、車検の際に問題になる可能性もあるため、DIYの際は安全性も十分に確認しておく必要があります。
このように、軽バンを自転車向けに改造することで、単なる運搬車両から“移動する自転車基地”のような使い勝手の良い空間へと進化させることができます。あなたのスタイルに合った改造を施せば、より快適で実用的な自転車ライフを実現できるでしょう。
積み方や固定の注意点とまとめ

軽自動車に自転車を積むときは、荷室サイズだけでなく「積み方と固定方法」にも十分注意が必要です。間違った方法で積むと、車内の破損や事故の原因になることもあるため、基本的なポイントを押さえておきましょう。
まず、積載前に前輪を外す方法が一般的です。これにより自転車の全長が短くなり、車内に斜めに積みやすくなります。ただし、フレームやディレイラーを傷つけないよう、毛布やマットで保護することが大切です。
次に、固定の重要性です。荷物をしっかり固定しないと、ブレーキやカーブ時に自転車が動いてしまい、内装やガラスを破損するおそれがあります。特に金属製の部品は強い衝撃を生むため、走行中の安全性にも大きく関わる問題です。
また、固定を怠ると道路交通法違反となる可能性もあります。車両の荷物が動いたり落下したりしないよう「適切な固定」が義務づけられているため、ラッシングベルトやフォークマウントなどを使って、確実に動かない状態を作りましょう。
最後に、積み込み時に自転車の油分や泥が車内に付着しないよう、荷台シートを敷いておくと掃除が楽になります。滑り止め効果もあるため、自転車の安定性を高めるのにも役立ちます。
このように、自転車の積み方・固定方法を工夫することで、車内をきれいに保ちながら、安全に運搬することができます。面倒に感じるかもしれませんが、ほんのひと手間が安全運転と大切な車両・自転車を守るカギとなります。
軽バンに自転車は載せられる?積み方や固定方法のポイントを総まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 自転車の積載前に荷室寸法を必ず確認する
- 後部座席を倒し荷室を最大限に広げる
- 荷台にはシートやマットを敷いて保護と滑り止めを行う
- 27インチのママチャリも前輪を外せば積載可能
- ロードバイクは前後を互い違いにすれば3台積める
- MTBは前輪を外しフォークマウントでの固定が有効
- 荷物が動かないようラッシングベルトでしっかり固定する
- 固定不足は事故や内装破損の原因になる
- 荷室フックがない場合はDIYで固定ポイントを増設する
- 固定しないままの運搬は道路交通法違反となる可能性がある
- スライドレール導入で積み下ろしの効率が上がる
- 荷台シートで汚れや傷から車内を守ることができる
- キャリアの選び方は使用頻度や車検対応も含めて検討する
- 自転車のインチ数が大きい場合は分解や工夫が必要
- 自転車運搬に特化した改造で快適な積載環境を実現できる